本文
広報うえだ令和8年5月号テキスト版 21ページ
文芸
入選作品
短歌
小宮山久子選
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二月の陽(ひ)は甍(いらか)を光らせ我(わ)を覚(さ)ます深呼吸して春をたぐり寄す
永井とよ子 -
いつしかに廃車置場に春が来て車の下にタンポポが咲く
甲田 隆登 -
若き日に吾(わ)が描(えが)きたる自画像と向かい合い見ん 日暮れの早し
菊池三冶子 -
細心の注意を払い畔を焼く弥生なかばの風なき朝に
山﨑さと子 -
頭からガブリといくよ 鯛焼きの何か言いそな口まず塞ぐ
金井 美穂 -
「またおいで」見送る母はもういない時の止まった私の実家(じっか)
中村 幸子
〈選者評・一首目〉 二月の、明るさの増してきた光に春を感じて動き出そうとしている作者。活動的な気持ちが嬉しい一首。結句は「引き寄す」でも良いでしょう。
俳句
島田洋子選
- 古木なで梢見上ぐる桜守
平林美代志 - 春光や人は地球に瓦礫積む
大井 敬子 - 凍土(いてつち)を踏みしむ影や招魂社
神田 愛子 - 春風にタンゴをおどるクロッカス
田中けさ子 - 一人居の宴ごころに雛と酌(く)む
若林みえ子 - 谷の息吹ふわりゆるりと雪雲へ
山野井隆司 - 春一番帽子転がる上田橋
竹内 秀夫 - 親の亡い子にも空ありシャボン玉
勝見 稔 - 深々と蹄(ひづめ)の跡よ春の土
亀井かほる
〈選者評・一句目〉 桜が無事に咲くよう見守り、世話をしている人が桜守です。「古木なで」という具体的な動作を入れたことで、桜への愛情が伝わってきます。
川柳
斉藤俊酔選
- 荷を降ろし自由奔放八十路から
大久保幸吉 - 散歩して一石二鳥ゴミ拾う
斉藤 巴 - 寝付かれず目覚まし時計刻む音
関 敏雄 - 豆撒きで無い子に分ける健気な児(こ)
有賀利枝子 - 我(わ)が儘(まま)をこなす母には技能賞
滝沢 彰男 - 楽しんだ演技がメダル引き寄せる
茅野 健治 - 今日も無事遺影ほほえむ酒二合
畔上 綾子 - 賽銭の額をはみ出る願いごと
大森乃里子 - 春の風心地いいなと朝散歩
山寺 恭平
〈選者評・一句目〉 長い間背負ってきた、いろいろな事柄から脱皮して、八十路からは自由奔放、自分の思いのままに、残りの人生を過ごしたい。私もまったく同じ気持ちです。
8月号の投稿方法 6月16日(火曜日)必着
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問合せ 文化政策課 電話75-2005
〒386-8601(住所不要)
