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球形のチーズによる子どもの窒息に注意してください!
国民生活センターによると、2024年11月、1歳児が球形のチーズを食べて窒息し、死亡する事故が発生しました。当該品は、直径およそ2センチの球形のチーズで、フィルムで包み両端がねじられた形で個装されているものでした。
また、球形のチーズ以外にも、飴やパン類、豆類などの食品による子どもの窒息事故も発生しています。
子どもが不用意に口にしそうな物は手の届く範囲に置かないことが大切ですが、子どもは大人が目を離した間に思いがけない物を口に入れることがあり、大人の目の届かないところで事故が発生してしまう可能性が考えられますので、注意が必要です。
事故情報
【事例1】夕食時に1歳の子どもにキャンディタイプのチーズを与えた。子供が苦しんでいることに気づきすぐに吐き出させようとしたが出てこなかった。救急搬送されたが、12日後に亡くなった。
【事例2】3歳の子どもが、飴玉のような形状の子ども向けのチーズを食べたところ、のどに詰まらせてしまった。すぐに吐き出したので大事には至らなかった。
【事例3】子どもに1人で球形のチーズを食べさせていたところ、急にむせ始めた。泣き声は出ていたがかすれ声で、顔色も悪くなっていたため救急車を要請した。保護者が背後から腹部突き上げ法を行ったが何も出てこず、口の中に指を入れて掻き出したところ、ドロドロのチーズの小片がいくつか出てきて、顔色も良くなった。
消費者へのアドバイス
球形の個装チーズなど窒息を起こしやすい食品は、無理なく食べられるよう小さく切ったりつぶしたり、加熱して形状を変えて与え、飲み込むのを確認しましょう
窒息事故は数分で命の危険が迫るため、日頃の事故予防が最も重要です。小さな子どもは一口量や食べる速さを自分で調整できません。一口にたくさん詰め込まず、よく噛んで嚥下できたことを確認しながら与えましょう。
丸くてつるっとしているものや粘着性の高いものなど、窒息を起こしやすい食品の特性を知り、注意しましょう
表面の滑らかさ、粘着性、弾力性、固さ、噛み切りにくさ、大きさ、形状などによって窒息を起こしやすい食品がありますので、注意しましょう。
球形の個装チーズのほかに、飴やパン類、豆類、せんべいなどでも事故が起きています
餅やパン類、豆類、せんべい、グミ、ビスケット、クッキー、リンゴなどの食品で5歳以下の子どもが窒息した、窒息が疑われたという事故情報が寄せられており、注意が必要です。
窒息したと思ったら、直ちに救急要請し、背部叩打などによる異物除去を試みましょう
子どもが次のような行動をしていたり、症状が出ていたりする場合は「窒息しているかもしれない」と考えましょう。
・のどを押さえる
・口に指を入れる
・声を出せない
・呼吸が苦しそう
・顔色が急に青白くなる
なお、異物が見えない状態でむやみに口に手を入れることは、異物を押し込んで完全に気道をふさいでしまう恐れがあり危険です。