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平成30年9月市議会定例会 市長提案説明

更新日:2019年12月14日更新
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平成30年9月3日

目次

はじめに

はじめに、6月に発生した大阪府北部を震源とする地震、並びに西日本を中心に襲った7月の豪雨災害におきまして、犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
最大震度6弱を観測した大阪北部地震では、倒壊したブロック塀等により小学生を含む2名の方が亡くなられる、大変痛ましい事故が発生いたしました。
今回の事故を受け、市では建築基準法施行令により基準が定められているブロック塀の市有施設における緊急点検を実施いたしました。その結果、上田城跡公園野球場のほか、安全性に問題があると確認されたブロック塀等につきまして、解体・撤去を進めてまいります。
また、市内小中学校の半径300メートル以内の通学路を対象に同様の調査を行ったところですが、市民の皆様の不安を解消し、地震による倒壊事故を未然に防止するため、通学路などの道路に面したブロック塀等の解体に特化した補助制度を創設することとし、今定例会に関連予算を計上いたしました。市民の皆様には、震災時の安全と避難路確保のため、この機会にブロック塀等の点検をお願いいたします。
西日本を中心とした豪雨災害では、1府10県に「大雨特別警報」が発表され、河川の氾濫とともに土砂災害が頻発し、死者・行方不明者が多数発生するなど甚大な被害となりました。上田市では、この災害に対し県と市町村が一体となった「長野県合同災害支援チーム(チームながの)」により、7月23日から29日の間、土木技術系の職員2名を広島県尾道市へ派遣いたしました。
この度の両災害に対しては、市施設等に募金箱を設置し、市民の皆様にも御協力を呼び掛けているところであります。

防災訓練の実施

こうした中、一昨日、神川など市内4地区を重点地区として、上田市防災訓練を実施いたしました。「市民が自ら考え、行動する訓練」を基本とし、「自助・共助」の役割を意識しながら、有事において即応できる防災・減災体制の構築に向けた様々な訓練を行ったところであります。
災害発生時に、市が臨時に行うFM放送局を開局する訓練では、今回、初めて実際に電波を発信し、ラジオによる情報伝達も実施いたしました。
災害時のラジオの活用につきましては、全市民が緊急情報をいち早く入手でき、停電時にも大変有効な手段であることから、今後、新たに「エフエムとうみ」によるラジオ放送やスマートフォン等のアプリを活用した情報発信にも取り組んでまいります。
今回の防災訓練で得られた課題を検証しながら、いつ起こるとも知れない地震や豪雨などの大規模災害に備えるため、今後も市民の皆様や防災関係機関と連携して、災害に強い安全・安心なまちづくりに努めてまいります。
一方、7月22日には木曽郡大桑村において長野県消防ポンプ操法大会及び消防ラッパ吹奏大会が開催され、上田市消防団は上小地域の代表として全種目に出場し、小型ポンプ操法の部は見事優勝、ラッパ吹奏の部でも準優勝といった、大変輝かしい成績を収めました。改めて栄誉をたたえるとともに、引き続き地域防災力の中核的な存在として、その活動に大いに期待するところであります。

資源循環型施設建設に向けた取組

次に、市政の最優先課題として位置づける、資源循環型施設建設についてです。
「曲げることなく覚悟を持って取り組む決意」で進めている資源循環型施設建設につきましては、自治会と話し合いの機会を持つことができない諏訪部地域住民の皆様の声を、私が直接お聴きしたいとの思いから、5月31日から7月6日まで7回にわたり、「サテライト市長室in清浄園」を開設し、合計で15組、31名の方にお越しいただきました。私自身が地域に出向き、しっかりと皆様と向き合って時間をかけてお話ができたことは、大きな意義があったものと感じております。
また、複数の方から、「地域住民に情報が入ってこない」「意見を述べる場がない」との声をいただいたことから、先月2日に「諏訪部地域資源循環型施設に関する説明会」を開催いたしました。説明会の開催に当たっては、私が諏訪部地域の全世帯の約170世帯を訪問し、参加のお願いをしたところであります。
当日は、諏訪部地域以外にお住いの下沖振興組合などの皆様も含め、前回5月に開催した市長懇談会を上回る24名の方に御参加いただき、施設建設の方針及び疑問点について説明するとともに、今後の計画や地域振興の質問に対し、現在の検討状況をお答えいたしました。引き続き、諏訪部地域の皆様に継続した情報提供や話し合いへの働きかけを行ってまいります。
一方、資源循環型施設建設対策連絡会の皆様とは、7月12日に私も出席して今後の施設建設の計画案について懇談を行いました。計画の早期から住民意見を反映させるため、専門家を交えた具体的な協議を行う組織を速やかに発足させることで合意いたしました。これにより、科学的知見を取り入れた、「安全・安心」の確保に向けた体制を整え、地域住民の皆様との合意形成に鋭意取り組んでまいります。

国の予算編成

さて、国におきましては、来年度以降の予算編成などの指針となる「経済財政運営と改革の基本方針2018」が去る6月15日に閣議決定されました。地方の歳出水準については、「国の一般歳出の取組と基調を合わせつつ、交付団体をはじめ地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、2018年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する。」としております。また、今後、社会保障関係費の急増が見込まれることから、来年度から3年間を「基盤強化期間」と位置づけ、社会保障制度の持続可能性確保を図るための改革を継続することとされました。
国の2019年度予算編成についても、これまでの持続的な経済成長の実現を推進する方針の継続が強く打ち出され、特に来年10月1日の消費税率の引上げに対する財政面での経済対策を当初予算において臨時・特別に措置を講じるとしております。

企業支援の取組

県内の経済状況につきましては、7月に日本銀行松本支店が発表した金融経済動向では、「長野県経済は緩やかに拡大している、企業の業況感は良好な水準を維持している。」としております。地域の雇用情勢は、ハローワーク上田管内の7月の有効求人倍率が1.70倍と前年同月を0.2ポイント上回り、引き続き高い水準で推移しており、地域の企業にとって人材の確保と労働生産性の向上が大きな課題となっています。
こうした中、長野県では県内産業を担う人材の就業促進、長時間労働の抑制、休暇の取得促進、多様な働き方の導入等の「働き方改革」を推進するため、知事を座長とする「長野県就業促進・働き方改革戦略会議」が設置されました。この会議では、各地域の特性に応じた諸課題に対応するため、地域振興局ごとの地域会議も設けられ、上田市も地元経済団体、労働団体、産業人材育成機関、教育機関、行政機関とともに参画しております。市といたしましても、地域の重要課題である人材確保に向け、しっかりと取り組んでまいります。
市内企業における設備投資については積極的な姿勢が見られ、7月から受付を開始した生産性向上特別措置法に基づく先端設備等導入計画は、既に数十社から申請があり、労働生産性の飛躍的な向上が期待されるところであります。今後も償却資産に係る固定資産税の特例措置など積極的な情報提供を行うとともに、丁寧な相談に努めてまいります。
また、中小企業の国内外の販路開拓などを後押しするため、私は去る6月20日、東京で開催された「日本ものづくりワールド」を訪問いたしました。上田市の共同ブースに出展した地域企業の担当者と、マッチング促進や箱畳工業団地への企業誘致などの情報交換を行ったところであり、引き続き、展示会への出展に積極的に取り組み、「ものづくり産業上田」の振興を図ってまいります。
東信州広域連携の取組につきましては、本年5月に策定した「東信州次世代イノベーションプラン」に基づき、次世代イノベーション産業創出に向けた開発プロジェクトや人材確保支援を着実に推進するため、県内5金融機関と東信州次世代イノベーションセンターとの連携協定に向けて協議を進めております。これにより企業同士のマッチング促進をはじめ、販路開拓、事業承継等、金融機関と協調した、きめ細かい支援に努めるなど、引き続き、企業、商工団体等のニーズを踏まえた効果的な事業に取り組んでまいります。

地域の魅力アップ

次に、観光振興につきましては、「信州上田」を全国にPRする積極的な事業展開に努め、知名度の向上と観光客数の増加を目指しております。
こうした中、地域の元気と明日への活力を生み出す夏まつりが、本年も市内各地域で盛大に開催されました。残念ながら「上田わっしょい」は、台風の影響により中止となってしまいましたが、今年で31回目を迎えた「信州上田大花火大会」は好天に恵まれ、地元企業の皆様から多大な協賛をいただく中、上田の夜空に美しく輝く花火が打ち上げられ、会場を埋め尽くす多くの観客の皆様に夏の一夜を満喫していただけたものと感じております。
昨年からお盆期間に開催している上田城跡公園を会場とした「納涼盆まつり」では、ご当地グルメや昔懐かしい縁日で、多くの皆様に夏のひとときを楽しんでいただくことができました。更に、本年は信州上田観光プレジデントの草刈正雄さんによる「プレジデントからの指令」と銘打ったイベントを春から実施しており、こうした新たな取組を積極的に展開することで、一層の誘客に結びつけてまいります。
この他にも、別所温泉や鹿教湯温泉、菅平高原の観光資源を有効活用した体験型メニューなど、民官連携によってPR活動に努めており、今後も「稼ぐ力」を高めるための新たな観光戦略への転換を推し進め、持続的な観光地の確立を目指してまいります。
また、菅平高原におきましては、地元の皆様の長年の願いであり、訪れるアスリートからの要望も多かった、屋内トレーニング施設を中心とした「菅平高原アリーナ」が、一昨日、供用を開始いたしました。これを機に、スポーツ合宿の盛んな当地の振興が更に図られることを期待するとともに、菅平高原の魅力が一層高まる施設運営に鋭意取り組んでまいります。

次に、丸子地域の陣場台地における「椀子(まりこ)ワイナリー」について申し上げます。
メルシャン株式会社が建設を予定している、「椀子ワイナリー」につきましては、今秋の着工を目指し、ほぼ計画通りに進捗しているとお聞きしております。
本年は、遊休荒廃農地から生まれ変わった「マリコ・ヴィンヤード」が、15周年の節目を迎えることから、ワイナリーの着工に合わせて記念式典も予定されています。
新設されるワイナリーは、県内外から多くの観光客が訪れるものと期待され、市といたしましても、上田地域の新たな活性化の拠点として捉え、市内での宿泊や観光、消費など様々な分野に波及効果が及ぶよう取り組むとともに、「千曲川ワインバレー特区連絡協議会」を構成する市町村との更なる広域連携も進めてまいります。

次に、埼玉県所沢市との産業交流について申し上げます。
平成18年の所沢市民フェスティバルにおける観光ブース出展から始まった上田市と所沢市との交流は、昨年5月末の降雹により大きな被害を受けたりんごの販売を通じて更に絆を深めてまいりました。こうした中、今後も農産物や観光など特色ある地域資源を活用し、両市の一層の発展を目指し、去る7月24日に「産業交流に関するフレンドシップ協定」を締結いたしました。
所沢市は、首都東京に近く、人口34万人という大きな都市であり、農産物の販路拡大のみならず、上田市への誘客や交流人口・関係人口の増加も十分に期待できることから、今後はより具体的な協議を進め、幅広い交流につなげてまいります。

地域おこし協力隊

次に、地域おこし協力隊について申し上げます。
平成27年度から市内各地域に配置している、地域おこし協力隊につきましては、これまでの間、地域資源や農産物の情報発信、新たな農産加工品の開発、観光客・生活体験者の受入れなど様々な活動を行っております。こうした中、本年7月に稲倉の棚田の保全事業をはじめ、豊殿地域の振興に素晴らしい実績を上げてこられた石井史郎隊員が3年間の任期満了を迎えました。今後も地域に定住し、棚田の保全事業に引き続き取り組まれることとなり、大変うれしく思うところであります。
現在、活動されている隊員におかれましても住民の皆様とともに、地域の活性化に取り組み、最終的に上田市に定住・定着していただけるようサポートしてまいります。

保育・教育環境の整備と子育て支援

次に、保育・教育環境の整備と子育て支援について申し上げます。
子どもは地域の宝であり、安心して子育てができる環境整備をハード・ソフト両面から進め、全ての子どもが笑顔でしあわせに暮らせるまちづくりに取り組んでいく必要があります。
公民館との複合施設となる神川統合保育園につきましては、来年4月の開園に向けて、現在、建物の内装工事とプール等建築外構工事に入っており、丸子統合保育園につきましては、今定例会に建物の実施設計業務に係る経費を計上いたしました。
一方、国が来年10月から実施を目指す幼児教育・保育の無償化は、未だ制度の詳細が示されず、7月の全国市長会において、確実な財源確保や実施時期の配慮などを求めたところであり、引き続き、国等の動向を注視しながら、市としても無償化の実施に支障を来すことのないよう準備を進めてまいります。
放課後児童対策につきましては、北小学校区にある学童保育所「太郎の家」が、土地建物の借用期限が来年度末に満了となることから、同校敷地内にある現在使用されていない北校舎を解体して移転新築してまいります。
また、経済的な理由により、小中学校で健全な活動を行うことが困難と認められる児童生徒の保護者に対し、学校生活で必要となる費用の一部を援助しており、このうち、入学に必要な新入学学用品費について、本年3月から中学校において入学前の支給に改めましたが、その対象を小学校にも拡大してまいります。
この他にも福祉医療について、出生から中学3年生までの子どもを対象に、医療機関や薬局の窓口で1レセプト500円を支払うだけで医療、調剤を受けられる方式が、8月1日から全県一斉にスタートし、保護者や医師会等への周知に努める中、新制度への円滑な移行が図られております。
今後とも、子どもの居場所づくり、子育てに関わる経済的負担の軽減など、上田市で子どもを安心して産み育てることができるよう、支援体制の充実に取り組んでまいります。

さて、今年は関東甲信地方で7月中旬の平均気温が平年を4.1度上回るなど、全国各地の連日の猛暑について、気象庁は「災害」のひとつであるとの認識を示しました。
公立保育園・幼稚園では、今年度から山間部を除いた3歳以上児室に段階的なエアコン設置を進めていますが、この記録的な暑さを受けて計画を前倒ししてまいります。今年度中に年少クラス全てにエアコンを設置し、年中・年長クラスについても、可能な限り早期設置に努め、来年の夏前までに設置計画の完了を目指してまいります。
上田市の小中学校は、合併後に改築した一部の学校や、保健室、パソコンルームへのエアコンの導入により、設置率は24.2パーセントと、長野県の平均値8.6パーセントを超えている状況でありますが、学校施設における暑さ対策は急務であるとの認識から、今定例会にエアコン設置に向けた、熱源や機器の能力、整備手法等の具体的検討を行うための調査費用を計上いたしました。今後、エアコンの早期設置を市の重要課題のひとつとして位置づけ、国の動向も注視し、財源の確保にも努めながら取り組んでまいります。

文化芸術の取組

次に、「サントミューゼ」交流文化芸術センター・市立美術館及び市立博物館について申し上げます。
 先月7日から5日間、「第42回全国高等学校総合文化祭」が長野県内の各会場で開催され、上田市では「演劇部門」と「美術・工芸部門」がサントミューゼにおいて盛大に行われました。全国各地から高校生をはじめ、保護者、学校関係者など、大変多くの皆様にお越しいただく中、最終日の11日には秋篠宮同妃両殿下が御来訪され、美術・工芸部門における力作を御覧になり、高校生にとってより心に残る大会となったものと感じております。今回、高校生最大の芸術文化の祭典が上田市で行われたことで、市内高校生の創作活動に対する意欲がますます高まることを願うものであります。
昨年に引き続き2回目となる兵庫県豊岡市との「姉妹都市高校生演劇交流連携事業」も期間中に実施し、両市の高校生が総文祭に参加するなど、有意義な交流が図られ、今後もこうした取組が継続されることを期待いたします。
一方、サントミューゼの運営につきましては、平成29年度から2か年計画で、「事業・運営評価調査」を実施しております。外部機関による事業運営の評価が、本年度中にまとまる予定であり、この調査を踏まえながら施設の更なる有効活用に向けた取組を進めてまいります。
市立美術館におきましては、本年4月から7月にかけて「水墨抽象画」で知られる篠田桃紅氏の企画展を開催し、国内外から大変多くのお客様をお迎えすることができました。今週8日からは、「モダンデザインの父」と呼ばれた「ウィリアム・モリス」の企画展が始まりますが、モリスに影響を受けた山本鼎の「農民美術運動」を中心としたコレクション展を同時開催し、充実した鑑賞事業を展開してまいります。
育成事業では、「子どもアトリエ」を核とした体験プログラムが好評であり、今年度は更により多くの子どもたちや保護者の皆様に美術の楽しさを体験してもらう講座を追加したところ、これまで毎回定員を超える応募をいただくなど、新たな取組に手応えを感じており、今後も育成を基本理念とした事業を充実させてまいります。
市立博物館におきましては、昨年度購入した「金井家(かないけ)文書(もんじょ)」を紹介する企画展「信之のまちづくり」を今月24日まで開催しております。現在の上田市街地の基本形をつくった真田信之が城下に出した古文書を中心に、丁寧な解説を付けたわかり易い展示が好評であり、多くの皆様に御覧いただくことを期待するものであります。
また、来年度に向けた公文書館の併設にともない、丸子郷土博物館のリニューアル事業にも取り組んでおり、これにより地域の歴史文化を顕彰する施設として、更なる利活用が促進されるものと考えております。

公立大学法人長野大学との連携

次に、公立大学法人長野大学について申し上げます。
長野大学においては、法人設立者である市が定めた平成29年度から6年間の「中期目標」の達成に向け、大学自らが策定した「中期計画」と「年度計画」に基づいて大学運営を進めておりますが、6月末に大学から、これらの計画に対する公立化初年度の大学運営の業務実績報告書が「上田市公立大学法人評価委員会」に提出されました。
評価委員会では、「中期目標」及び「中期計画」の進捗状況を踏まえた平成29年度の業務実績について、大学へのヒアリングや根拠資料の確認を行った上で精力的に御審議をいただき、このほど全体評価として「中期計画の進捗は概ね順調である」との評価結果がまとめられ、市へ報告をいただきました。その一方、学部学科の再編や大学院の設置等の大学改革への取組をはじめ、進捗がやや遅れている点へのスピード感ある対応を指摘されたことから、市といたしましても重く受け止め、大学に対して評価結果を踏まえた着実な推進を求めるとともに、計画の実現に向け大学との密接な連携を図ってまいります。

庁舎改修・改築への取組

次に、庁舎改修・改築について申し上げます。
2020年度内の竣工に向けて取り組む本庁舎の改築につきましては、市民の皆様の利用が多い窓口部門の集約、環境負荷の低減、ライフサイクルコストの縮減、防災機能の充実などを踏まえた基本設計案について、パブリックコメントや市民説明会を6月から7月にかけて実施いたしました。併せて新本庁舎の市民利用に関するワークショップも開催したところであり、これまでにいただいた御意見をもとに、今月中の基本設計完了を目指しております。
基本設計完了後には、次の段階となる実施設計や建設工事などの発注に速やかに取り組む必要があるため、現在、基本設計案に基づく事業費の積算に努めているところであり、今定例会での新たな追加補正予算の提案をお願いしてまいりたいと考えております。
南庁舎の耐震化につきましては、年度内の完成を目指して7月から補強工事を始めており、これらの事業の進捗に合わせて、市役所内の部署の移転・仮移転を順次行っていますが、来庁された市民の皆様が戸惑うことのないよう、駐車場の場所、部署の位置など、適切な周知・誘導に努めてまいります。
また、このほど基本設計が完了いたしました、武石地域総合センターの整備事業は、引き続き、実施設計に着手しており、防災機能の向上と併せて、コンパクトで機能性が高い施設とするとともに、地域住民が集う、出会いと協働の場を目指して、2020年度内の竣工に向けて取り組んでまいります。

サテライト市長室の開催

次に、「サテライト市長室」について申し上げます。
「市民力」と「共感力」をもってまちづくりを進めるためのひとつの手段である「サテライト市長室」につきましては、第1弾として、私の公約「上田再構築プラン」の最優先課題である資源循環型施設建設における候補地の早期合意を目指して清浄園において開催いたしました。
他方、選挙期間中、旧町村部の人口減少を捉え、均衡ある発展や地域活性化を望む数多くの声が寄せられたことから、第2弾として丸子、真田、武石の各地域自治センターにおける「サテライト市長室」を、現在、実施しているところであります。
上田市のまちづくりは私一人では成し得ません。市民、市議会、行政がひとつの目標に向かって思いを共有する「共感力」が大切であり、大いなる「市民力」によって魅力ある上田市が築かれるものと考えます。引き続き、サテライト市長室をはじめ、日頃からの面会、懇談会、イベント参加など様々な機会を通じて、市民の皆様との積極的な意見交換を行い、市政への反映に努めてまいります。

県政への期待

最後になりましたが、過日執行された長野県知事選挙の結果、阿部守一氏が3期目となる県政の舵取り役を託されました。
選挙戦で掲げられた政策の実現に向け、住民が地域で安心して暮らし続けられるよう、市町村とともに地域課題に向き合っていただき、引き続き「県民起点の県政」の実現に取り組まれることを期待するところであります。

議案の概要

以上、今回提案いたします案件のほか直面する課題等について、その一端を申し上げました。
今回提案いたします案件は、条例案2件、決算認定14件、予算案2件及び事件決議案3件の合計21件であります。
まず、条例案につきましては、「職員退隠料、退職給与金、死亡給与金及び遺族扶助料条例廃止について」など、計2件を提案いたします。
次に、平成29年度一般会計、特別会計及び企業会計の決算につき、このほど監査委員の審査が終了いたしましたので、決算審査意見書をはじめ関係書類を添えて提案いたします。
一般会計につきましては、歳入決算額673億2,881万円余、歳出決算額
652億7,374万円余で、繰越明許費としてお願いいたしました市道新設改良事業等18事業55件の繰越財源2億6,593万円余を除いた実質収支は
17億8,913万円余の黒字決算となりました。
前年度と比較して、歳入歳出とも減額の決算であり、歳出においては、昨年度に引き続き普通建設費の減額が大きく、具体的には小中学校施設の改築事業や西部公民館の整備事業などの大型事業の減額が主な要因となっております。また、歳入においては、歳出減に伴う国庫支出金や地方債、繰越金の減額などが主な要因となっております。
次に、特別会計につきましては、土地取得事業特別会計をはじめ8会計あり、総額では、歳入決算額362億9,114万円余、歳出決算額354億8,605万円余、実質収支は合計で8億508万円余の黒字決算となっております。
一般会計及び特別会計につきまして、2つの会計で歳入歳出同額のほか、各会計とも黒字で決算できましたことは、議員の皆様をはじめ、関係各位の御理解、御協力によるものと感謝申し上げます。
また、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」により、上田市健全化判断比率を今定例会に報告いたしましたので、その概要について申し上げます。
国が示す4つの財政指標のうち、「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」につきましては、いずれも「黒字」となり算定されておりません。「実質公債費比率」につきましては、元利償還金が増えたこと等により、前年と比較して、0.6ポイント増の5.3パーセント、「将来負担比率」につきましては、起債残高が減少したこと等により、前年と比較して、6.4ポイント減の35.8パーセントと算定されました。今後もこれらの指標に留意しながら、健全財政の維持に努めてまいります。
次に、平成30年度補正予算の概要について申し上げます。
今回は一般会計及び公共下水道事業会計に係る補正予算の計上であります。このうち一般会計補正予算第2号につきましては、4億4,083万円余の増額補正を行い、予算額は665億5,796万円余となっています。
主な予算の内容としては、市民生活に密着した生活関連道水路等整備事業を実施する経費の追加計上や、市有施設のブロック塀等除却事業に関する経費、並びに通学路等における危険なブロック塀等の除却促進に向けた補助金を計上いたしました。また、小中学校の普通教室等へのエアコン導入調査委託事業費、学童保育所の移転新築に係る経費、7月に発生した豪雨災害に伴う農地農業用施設等の復旧に係る経費など、6月補正予算編成後の諸事情により予算化の必要が生じた新規・充実の事務事業の予算計上を行うものであります。
なお、公共下水道事業会計補正予算第2号については、各施設の運転維持に関する債務負担行為の設定を計上しております。
最後に、事件決議案につきましては、公立大学法人長野大学に関わる案件として、地方独立行政法人法の一部改正等に伴う定款の変更のほか、公立化前から進めておりました大学内の一部の土地の名義変更手続きがこのほど終了しましたことから、大学への財産の出資等に係る議案の提案であります。

以上、今回提案いたしました条例案、決算認定、予算案及び事件決議案の概要を申し上げました。
各提出案件の内容につきましては、それぞれ担当者から説明いたしますので、よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。