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平成30年12月市議会定例会 市長提案説明

更新日:2019年12月15日更新
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平成30年11月26日

目次

はじめに

 本日ここに、平成30年12月市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては御多忙の中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

上田市功労者表彰式

 はじめに、長きにわたり地域社会の発展と福祉増進のために率先垂範し、献身的な活動を続けてこられた皆様を顕彰する、「平成30年度上田市功労者表彰式」を、先週21日に執り行いました。当日は、議員各位をはじめ自治会、地域協議会等の関係者など多くの方々に御列席を賜りましたことに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
 特別表彰として母袋創一前市長をはじめ、受賞者の皆様に改めまして祝意を表しますとともに、今後も豊富な識見と経験を活かされ、引き続き各分野で、また地域での指導者として御活躍いただき、市政に対しましても、なお一層の御支援をいただければと存じます。

ラグビーワールドカップに関わる取組

 さて、いよいよ来年9月20日から開催されるラグビーワールドカップ日本大会まで1年を切りました。こうした中、本大会に向けて菅平高原での事前キャンプの実施が決まっているイタリアラグビー連盟より御招待をいただき、今月8日から5日間の日程でイタリア共和国フィレンツェの地を訪問してまいりました。
 現地では、イタリアラグビー連盟会長をはじめ、役員の方々と来年のキャンプの実施方法など、具体的な打ち合わせを行ってまいりました。
 また、イタリア代表とジョージア代表とのテストマッチを観戦し、世界トップレベルのプレーを目の当たりにすることができたほか、試合前のスタジアムでは、観戦者に向け私を紹介していただくなど、「上田・菅平」の名が世界に向けて発信された瞬間に立ち会え、大変感動したところであります。
 更に、イタリア代表選手が宿泊しているホテルの食事環境やトレーニング施設など、代表チームのキャンプ受入に大変参考となる情報も得ることができ、今後、庁内関係課において横断的な連携を図りながら、市内全域での受入れ態勢に万全を期す思いを新たにしたところであります。
 短い滞在ではありましたが、世界遺産が各地に点在するイタリアの文化や芸術にも触れることができ、イタリアとの文化交流事業を展開する上で大変貴重な体験をさせていただきました。
 一方、先月8日にはイタリア文化交流を目的として「ヴェネツィア室内合奏団」の公演を開催いたしました。ヨーロッパ各地で幅広く演奏活動をされ、世界的にも著名なバロック室内合奏団を上田市にお迎えし、来場された皆様に上質で魅惑的な時間を堪能していただきました。また、公演前には上田高校室内楽班に直接指導を行っていただく機会も得られ、生徒にとって有意義な体験になったものと思っております。
 アジアで初めて開催されるラグビーワールドカップを、多くの方に身近に感じていただけるよう、市内全域でのラグビーの普及や、イタリア代表チーム応援に向けた機運の醸成、更には文化交流の創出など、上田市菅平高原キャンプ地誘致委員会や上田市イタリア文化交流実行委員会をはじめとした関係機関の皆様とともに、引き続き積極的な取組を推進してまいります。

資源循環型施設建設への取組

 次に、市政の最優先課題として位置づける、資源循環型施設建設について申し上げます。
 「曲げることなく覚悟を持って取り組む決意」で進めている資源循環型施設建設につきましては、私が積極的に地域に出向き、顔の見える形での十分な対話と丁寧な説明に意を払いながら、市長就任以来、サテライト市長室や説明会などを通じて、意見交換や情報提供を行ってまいりました。8月2日に「諏訪部地域資源循環型施設に関する説明会」を開催し、9月には説明会の結果資料を諏訪部地域の全世帯の皆様と、情報提供の御要望のあった諏訪部地域以外にお住いの下沖振興組合の皆様に郵送したところであり、継続した情報提供に努めております。
 資源循環型施設建設対策連絡会の皆様と調整を重ねてまいりました、新たな組織づくりにつきましては、施設に関する事業の構想段階から地元の皆様に参加していただき、学識経験を持った専門家や行政と対等な立場で、地域住民の安全安心を将来に渡って保証する計画を創りあげるため、「資源循環型施設検討委員会」を今週28日に設立し、第1回の委員会を開催する運びとなりました。諏訪部自治会と下沖振興組合に対しましても、本委員会への参加を働きかけてまいります。
 環境対策や施設のあり方などを協議する体制が整ってきており、引き続き、地域住民の皆様との合意形成に向けた取組を一層推進してまいります。
 清浄園を廃止するため、南部終末処理場内へ「し尿前処理下水道投入施設」を建設する計画につきましては、先週21日に、私が地元下之条自治会を訪問し、改めて計画の進展に向け、役員の皆様と協議をさせていただきました。今後につきましても、地元住民の皆様へ誠意を尽くして、話し合いを進めてまいります。

上田市の平成31年度当初予算編成

 続いて、当面する市政の諸課題について順次申し上げます。
 はじめに、上田市の平成31年度当初予算編成についてであります。
 国の平成31年度一般会計予算の概算要求は、「経済財政運営と改革の基本方針2018」で示された「新経済・財政再生計画」を踏まえ、5年連続で100兆円を超え、過去最高の102兆7,000億円余となりました。
 総務省所管の概算要求では、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、「平成30年度地方財政計画」の水準を下回らないよう実質同水準を確保することとし、地方交付税についても総額確保の観点から15兆9,350億円が要求され、併せて全国市長会をはじめとした地方の声を反映し、引き続き交付税率の引上げについて事項要求がされたところであります。
 また、来年10月に予定されている消費税率の引き上げに伴う社会保障の充実や幼児教育の無償化については、その実施に要する地方財源の確保が大きな課題となっております。加えて、消費税率引き上げに伴う景気対策の検討がなされており、これらの国の対応は当市の来年度予算にも大きな影響を与えることから、引き続き情報収集に努めるとともに、今後の地方財政対策等の国の動向にも十分注視してまいります。

 上田市におきましては、先月10日に平成31年度予算編成会議を開催し、その方針を公表するとともに予算編成作業に着手いたしました。
 来年度は、「第二次上田市総合計画」に掲げる将来像を具体化するための施策展開を念頭に、「前期まちづくり計画」における3つのプロジェクト、実施計画登載事業、「上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略」で掲げた4つの戦略について、引き続き着実な推進に努めてまいります。
 加えて、「上田再構築プラン」に位置づける「7つの挑戦」を踏まえて、新たに「『魅力あふれるまち上田』に向け全事業ブラッシュアップ」をサブタイトルに設定し、「地方創生・個性ある地域づくりの推進」「『上田ブランド』の推進と発信」「教育環境の重点整備」など、7つの分野を市政の重要課題として、これを具体化する事業に重点的な財源配分を行うことといたしました。
 人口減少や少子高齢化の影響など、社会環境の変化を見据え、上田再構築の視点に立ち、健全財政の維持にも十分留意しながら、多様化・高度化する市民ニーズに適応した予算となるよう全力で取り組んでまいります。

次世代産業創出と人材確保支援の取組

 次に、次世代産業創出と人材確保支援の取組について申し上げます。
 東信州エリアの高度なものづくり技術の集積を活かした次世代産業創出の取組につきましては、「東信州次世代産業振興協議会」を構成する関係自治体と相互に連携を図りながら、AREC内の「東信州次世代イノベーションセンター」を中心に各種事業に取り組んでおります。
 本年5月に策定した「東信州次世代イノベーションプラン」の開発プロジェクトの第一弾として取り組む「介護・医療・農業分野を中心とした動作支援ロボットの事業化支援」が、このほど経済産業省の「地域中核企業創出・支援事業」に採択されたことから、今後、実用化や販路開拓などの支援に取り組むこととしております。
 また、今月13日には、同センターと地域の5つの金融機関との間において、次世代産業創出に向けた、幅広い協力関係の推進を目的とした連携協定が締結され、これにより開発プロジェクトや人材確保支援等に関する取組を着実に進めてまいります。
 更に、首都圏等の大学や研究機関が保有する特許や研究ノウハウ等をまとめた「知財群」の活用による、技術紹介セミナーを上田市内で初めて開催したところであり、大学・研究機関からの事例紹介とともに、参加者の提案ニーズに対して有意義な意見交換が行われました。
 これらに加え、地域企業の重要課題である人材確保に対する支援につきましては、主に首都圏等の学生や社会人を対象に、SNSを活用した就職や移住定住、観光、子育てなどの情報発信に取り組んでおります。
 今後につきましても、東信州エリアのものづくり産業の更なる発展に向けた取組が一層加速するよう、市といたしましても引き続き関係市町村の牽引役として役割をしっかり果たしてまいります。

農業振興、6次産業化推進の取組

 次に、農業振興、6次産業化推進の取組について申し上げます。
 今月16日から3日間、長野市内を会場に開催された「全国発酵食品サミットin長野」につきましては、上田市も実行委員会の一員として運営に関わり、「信州発酵・長寿マルシェ」と銘打った展示や物販のほか、市内の発酵に関する先進事例の紹介、酒造りのドキュメンタリー映画の上映などを行ったところであります。
 大変多くの皆様にお越しいただく中、先人から受け継いだ知恵や特徴のある食文化を全国に向けて発信することができ、今後も市民をはじめ関係団体の皆様とともに、発酵を活かしたまちづくりを推進してまいりたいと考えております。

 丸子地域の陣場台地における「椀子ワイナリー」建設につきましては、先月25日、メルシャン株式会社による起工式がマリコ・ヴィンヤードにおいて行われました。
 来年秋には念願の上田市初となるワイナリーが完成し、翌2020年には東京オリンピック・パラリンピック開催年に合わせる形で、上田で栽培されたブドウを上田で醸造した、まさに「上田産のワイン」が誕生します。「原産地上田」が表示された新たなブランドのワインは、地域の更なる魅力発信につながるものと期待しております。
 メルシャン株式会社では、椀子ワイナリーに年間数万人のお客様が訪れるものと見込んでおり、観光誘客や地元農産物の販売、消費の拡大など、多様な分野で波及効果が期待されます。地域の新たなる活性化の拠点として位置づけられるものであり、市といたしましても、ワイナリーと連携した取組を進めてまいります。

 菅平高原におけるレタスは、上田市を代表する基幹的な農作物でありますが、信州うえだ農業協同組合の「菅平第一集荷所」における真空冷却装置が老朽化する中、荷受け後の予冷処理の遅延や、修理費の増加などが課題となっておりました。
 このため、信州うえだ農業協同組合が国の「産地パワーアップ事業」による補助を受けて実施する同設備の更新に対し、市において上乗せ補助することとし、今定例会の補正予算に関係経費を計上いたしました。今後につきましても、生産活動を促進するための環境づくりに努めてまいります。

地域の魅力アップ

 次に、地域の魅力アップについて申し上げます。
 美しく見事な紅葉に彩られた上田城跡公園において、本年も「上田城紅葉まつり」が、今月3日から2日間の日程で開催され、昨年に劣らない大勢のお客様にお越しいただきました。
 とりわけ、上田初開催となった全国武将隊イベント「戦国GIG(ギグ)凱(かちどき)」では、「信州上田おもてなし武将隊」をはじめ、仙台、上越、熊本の4武将隊が集結し、勇壮なパフォーマンスを繰り広げ、連日、全国から訪れた大勢の観光客の皆様に楽しんでいただくことができました。更に、「上田食劇場」と題したフードコートでは、ご当地グルメによる「おもてなし」を提供するなど、全国に誇れるまつりとして、来年以降の誘客につなげることができたものと考えております。
 併せて、手裏剣日本一を競う「伊賀流手裏剣打選手権大会長野予選」が上田で初めて開催され、来年伊賀市で開かれる本選に向け、全国から集まった多くの参加者が、日ごろ鍛えた技を披露し、まつり期間中はまさに「戦国」一色となりました。
 また、昨年から市では真田十勇士ガーデンプレイスにおいて忍者をテーマとした独自性のある企画に取り組んでいるところですが、今月には大手企業のプロモーションイベントとして本格的な忍者体験ができるツアーが、上田城跡公園で行われました。今後、この体験動画がインターネット配信されることから、忍者を観光資源とした取組に一層弾みがつくことを期待するものであります。
 一方、先月から郷土の優れた偉人の企画展を上田城跡公園内の市立博物館において開催しております。
 まずは、世界的医学者山極勝三郎博士の企画展を、NHK総合テレビ「歴史秘話ヒストリアまぼろしのノーベル賞」の放送に合わせて10月に実施いたしました。本年は京都大学の本庶(ほんじょ)佑(たすく)特別教授がノーベル生理学・医学賞を受賞されましたが、およそ100年も前に世界で初めて人工がん生成実験に成功し、ノーベル賞の最有力候補となった山極博士を、この上田の地が育んだことを誇りに思い、次世代を担う子どもたちをはじめとする、多くの方々に伝えていきたいと思っております。
 更に、好評につき12月24日まで会期を延長いたしました、俳人加舎白雄を紹介する企画展では、白雄直筆の秀麗な文字を分かりやすく現代語に訳して紹介するとともに、地域の顕彰会の皆様とも協力し、白雄ゆかりの地を巡る城下町散策マップを配布いたしました。俳句ブームともいわれる昨今、上田を代表する俳人の世界を堪能していただけるものと感じております。
 今後も、ゆかりの偉人・先人の英知や偉業について理解を深めることを通して、ふるさとへの愛着を持っていただく取組を進め、同時に全国に誇り得る魅力ある地域資源として上田市の未来のまちづくりへも活かしてまいります。

シティプロモーション

 次に、シティプロモーションについて申し上げます。
 多くの方から「来たい、また来たい、住みたい、住み続けたい都市」として選ばれるまちを目指して、市内外に向けた積極的なシティプロモーションを展開しております。
 今年度も首都圏をターゲットとして、埼玉、神奈川、千葉エリアを対象にテレビ番組を活用しながら、観光を中心に農産物や特産品、移住情報など、まちの魅力の継続的な発信に取り組んでおります。特に、この秋には上田市の歴史や文化・芸術をPRする新たな特別番組を制作し、対象エリアを群馬まで拡大して放送するととともに、首都圏向け情報誌に上田の魅力を集約した特集記事の掲載も行ったところであります。
 インターネット活用の新たな取組としては、観光やイベント、文化・芸術、移住など、幅広い分野にわたる情報を総合的に発信していくためのシティプロモーションWebサイト「うえだ大好き」を9月末に公開いたしました。また、今月から「エフエムとうみ」を活用し、市オリジナルラジオ番組の放送、避難情報などの緊急ラジオ放送のほか、専用アプリと市のメール配信サービスを連動させて、緊急・防災情報をはじめとした各種お知らせの配信にも取り組んでおります。
 昨年から上田市が参加している「東日本連携・創生フォーラム」につきましては、今月5日にさいたま市で開催され、北海道、東北、北陸など新幹線沿線の自治体が参加する中、私も出席してまいりました。今回は東京オリンピック・パラリンピックに照準を合わせ、国内外からの誘客促進を目指す連携事業を共同で進める合意がなされたところであり、今後、こうした広域的な連携を積極的に活用してまいります。
 インバウンドの取組につきましては、昨年の「信州上田台湾プロモーション」を踏まえて積極的な観光プロモーション事業を展開しており、先月には台湾メディア関係者を招聘し、市内温泉地をはじめ数々の観光ポイントを取材していただき、現地の旅行雑誌に掲載するPR事業を実施いたしました。加えて、今月はタイと台湾の旅行博に、県、周辺自治体及び市内観光関連団体とともに現地の方々や旅行エージェントに対する売り込みを実施しており、今後も民官一体となった取組により、交流人口の拡大と滞在型の稼ぐ観光につなげてまいります。

花と緑のまちづくり

 次に、花と緑のまちづくりについて申し上げます。
 快適で心の豊かさを実感できる都市環境の形成に向けて、市では公園や憩いの場の整備とともに、市民の皆様との協働により、花づくりを通じた美しく潤いのあるまちづくりに取り組んでおります。
 今年で12回目を迎えた「花と緑のまちづくりコンクール」につきましては、今月6日に表彰式を執り行ったところであり、道路沿いや自宅の花壇などを明るく彩っていただいた14の団体・個人・中学校の皆様を表彰いたしました。
 上田市は一年を通じて四季折々の花々が咲く花の里でありますが、こうした皆様の花づくりの活動が、一層まちに彩りと潤いを与え、更には地域のつながりをますます深めるものと考えております。今後につきましても、市民をはじめとした地域の皆様と連携しながら、花と緑のあるまちづくりを推進してまいります。
 また、来年は4月25日から6月16日まで松本平広域公園をメイン会場に、長野県で初めて「全国都市緑化信州フェア」が開催されます。毎年全国各地で開催されている花と緑の祭典で、県内をはじめ全国の自治体、企業、団体の参加が予定されており、市といたしましてもフェアを盛り上げ、上田を全国にアピールできる機会として花壇を出展してまいります。フェア期間中、会場に大勢の市民の皆様に足を運んでいただき、上田市の花壇を御覧いただくことを期待しております。

子育て支援と教育

 次に、子育て支援と教育について申し上げます。
 地方創生の方向性のひとつである「小さな拠点」づくりを目指して取り組んでいる「神川地区拠点施設整備事業」につきましては、神川統合保育園と神川地区公民館の複合施設を建設するとともに、民間においては特別養護老人ホームなどの整備が進められています。
 この複合施設につきましては、今月5日に建物本体工事が完了し、現在、遊具設置等の外構工事に取り組んでおります。神川地区のまちづくりの活動拠点として、また、地域ぐるみでの子育てや世代を超えた交流の場としての活用が図られるよう、来春の開園・開館に向け、引き続き安全第一に工事を進めてまいります。
 丸子統合保育園につきましては、現在、敷地と建物の設計に取り組んでおりますが、2021年度の開園を目指して来年度当初から工事に着手するため、今定例会の補正予算に建設地の造成工事費とわかくさ幼稚園の解体工事費の債務負担行為を計上いたしました。わかくさ幼稚園の園児は、一時、転園が必要となり大変御迷惑をお掛けしますが、地域の皆様に喜んでいただける保育園の完成に向けて、引き続き着実な事業の推進に努めてまいります。

 さて、全国で記録的な猛暑となった今夏はもとより、近年の夏の厳しい暑さから子どもたちの安全と健康を守るため、熱中症対策としての学校施設の空調設備の整備が全国各地で喫緊の課題となっております。
 市では、小中学校への空調設備導入に向けた調査費に係る補正予算を9月定例会において御議決いただいて以降、全体事業費抑制や早期事業完了のための整備手法などについて、庁内関係課が連携して様々な検討を重ねてまいりました。更に、8月には県市長会が関係機関とともに、首相官邸と総務省自治財政局に対して、学校施設への空調設備設置等に関する緊急要望を行ったほか、市では基金活用など、幅広く財源確保の検討を行ってまいりました。
 こうした中、今般、国において臨時特例的な補助制度として、空調設備の整備とブロック塀の安全対策に特化した新たな交付金制度が創設され、現在開会中の臨時国会において、関連する補正予算が可決、成立いたしました。
 市ではこの特例交付金を最大限に活用し、小中学校の普通教室を最優先に空調設備の整備を進めてまいりたいと考えており、今定例会に16億7,000万円余の補正予算を計上いたしました。今後もコスト抑制に十分留意しながら、スピード感を持って来年夏までに整備ができるよう鋭意取り組んでまいります。
 公立保育園・幼稚園につきましては、計画を前倒して全保育室への空調設備の設置を進めており、現在までに0歳から3歳児保育室への設置が完了いたしました。4歳・5歳児保育室についても、今年度末までに完了できるよう、今定例会の補正予算に関係経費を計上したところであり、引き続き、よりよい保育環境の整備に努めてまいります。

スポーツ振興

 次に、スポーツ振興について申し上げます。
 本年も秋のスポーツシーズンに魅力あるイベントを実施してまいりました。第32回を迎えた「上田古戦場ハーフマラソン」では、爽やかな秋空のもと、2,100人を超えるランナーに健脚を競っていただきました。今回はゲストランナーとして、東洋大学在学中、箱根駅伝において4年連続の区間賞を受賞された柏原竜二さんをお迎えし、参加者と一部のコースを走っていただいたほか、表彰式では写真撮影などで参加者や来場者とも交流いただいたところです。
 更に、武石地域で開催された29回目となる「ともしびの里駅伝大会」では、紅葉と田園風景のもと、87チームが参加し、大勢の市民の皆様の声援を受けながら賑やかに行われました。優勝は栃木県から参加のチームとなるなど話題性にあふれ、来年の第30回記念大会につながるイベントとなりました。
 このほか、来年のラグビーワールドカップ日本開催に向けた普及事業として、小学校や高校でのラグビー体験会のほか、様々な競技のスポーツ選手を「夢先生」として学校に派遣する「夢の教室」事業なども、数多く実施してきております。
 また、スポーツに関して大変喜ばしいニュースが届いております。この度、ルートインホテルズ女子バレーボール部の「ブリリアントアリーズ」が、次期シーズンから上田市を本拠地としてVリーグに参戦することとなりました。市としても会場の確保や広報面で支援してまいります。トップレベルのスポーツを身近に体感しながら、市民の皆様とともに地元チームを応援できることは、スポーツ振興はもとより、新たなまちの賑わいの創出にもつながるものであり、チームの今後の更なる活躍を祈念するところであります。
 一方、2027年に開催される長野国体に向けて、過日、長野県準備委員会において競技会場の第1次選定が行われ、上田市ではソフトテニスとラグビーフットボールの開催が決まりました。国体開催は、市のPRや経済面でも大きなインパクトがあるものと考えており、引き続き施設整備の検討を含めた更なるスポーツ振興に努めてまいります。

庁舎改修・改築の取組

 次に、庁舎改修・改築の取組について申し上げます。
 庁舎改修・改築事業につきましては、新本庁舎基本設計が9月末に完成し、先月、建設工事の入札公告を行いました。年内には建設業者を選定できるよう準備を進めており、併せて実施設計にも着手したところであります。
 こうしたハード面の取組を推進する一方で、市民サービスの総合窓口化について、市民課をはじめとした窓口部門の若手職員によるプロジェクトチームを設置し、具体的な検討を進めており、市民の利便性の向上と業務の効率化を図ってまいります。
 南庁舎の耐震化につきましては、補強工事が順調に進捗しており、本庁舎低層棟の解体と併せた、部署の移転・仮移転につきましては、来年2月中に終了予定であります。
 引き続き、来庁された市民の皆様が戸惑うことのないよう、各部署や駐車場の場所などについて、周知や誘導に努めるとともに、工事現場の安全管理に万全を期してまいります。
 また、丸子地域自治センターにつきましては、築後39年が経過し、耐震診断において補強が必要との結果が出ていることから、耐震化及び改修に向けて事業着手することとし、その実施設計に係る債務負担行為を今定例会の補正予算に計上いたしました。
 現在、実施設計に取り組んでいる武石地域総合センター整備事業におきましては、この度、武石地域自治センター敷地の後利用について、その基本的な方針を示した「駐車場・にぎわい広場整備基本計画」を策定いたしました。総合センターをはじめとする周辺施設の駐車場や、地域の賑わいを創出するイベント広場、更には防災拠点となるよう、引き続き検討を進めてまいります。

来春に向けた組織改正

 最後に、来春に向けた組織改正について申し上げます。
 少子高齢化、人口減少社会への対応という社会全体の課題に対し、国や県の政策の動向を踏まえながら、公約に掲げる「上田再構築プラン」や「第二次上田市総合計画」、「上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の着実な推進を図るため、来春に向けた組織改正を行ってまいります。
 地方創生法の成立から5年を迎え、全国各地の自治体は地域の持続的な活力維持や、住民の安全安心の継続的確保などを目指し、各地の特色・課題に応じた独自の政策立案に取り組んでおります。
 こうした常に先を見据えた柔軟な発想が、これまで以上に求められる中、市におきましても、市長直轄の組織として「上田市政策研究センター」を新設し、外部有識者等の専門的な知見を活用しながら、新たな産業振興策など、有効な政策立案につなげてまいります。また、商工観光部においては、地域の重要課題である労働人口確保に向け組織を強化することとし、その他の部においても、様々な行政課題に対し効率的・効果的な対応ができるよう、組織体制の再構築を進めてまいります。

議案

 以上、今回提案いたします案件のほか当面する市政の課題等について、その一端を申し上げました。
 今回提案いたします案件は、条例案1件、予算案8件、事件決議案3件の合計12件であります。
 まず、条例案につきましては、「上田市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例中一部改正」の1件を提案いたしました。
 次に、平成30年度補正予算の概要について申し上げます。
 今回の補正予算は、9月補正予算編成以降の諸事情により必要が生じた新規の事務事業経費、国県補助金の内示等に伴う事業費及び財源の調整、人事異動等に伴う人件費の調整、国の第1号補正予算に伴う関連経費につきまして計上をいたしました。
 一般会計のほか、4つの特別会計及び3つの企業会計に係る予算計上であります。一般会計の歳出における主なものといたしましては、公立保育園及び小中学校への空調設備の整備、原油高騰に伴う市有施設の燃料費・光熱水費の追加、利用サービスの需要変動に伴う扶助費の調整、台風等に伴う災害復旧事業に係る経費を計上しております。
 次に、事件決議案につきましては、16施設について来年度からの指定管理者を指定するための議案など、計3件であります。
 以上、今回提案いたしました条例案、予算案及び事件決議案の概要を申し上げました。
 各提出案件の内容につきましては、それぞれ担当者から説明いたしますので、よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。