ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > 市政情報 > 市長室 > 提案説明・施政方針 > > 平成30年6月市議会定例会 市長施政方針

本文

平成30年6月市議会定例会 市長施政方針

更新日:2019年12月13日更新
印刷用ページを表示する
<外部リンク>

平成30年6月4日

目次

はじめに

本日ここに、平成30年6月市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては御多忙の中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

はじめに、市内中央西地籍で発生いたしました傷害事件について申し上げます。
既に報道等で御承知のとおり、5月29日に警察官が路上で襲われ重傷を負いました。犯人は現在も逃走中で、警察では行方を追うとともに、近隣の小中学校付近を中心に巡視を行っております。
市では事件発生直後から、上田警察署と連携を図りながら、メール配信などにより住民の皆様に注意を呼び掛ける一方で、防犯パトロールを行い、併せて小中学校等において保護者の御協力をいただきながら子どもたちの安全確保に努めております。更に、自治会の皆様にも登下校時の見守り活動への御協力を依頼したところであります。
被害に遭われた方の一日も早い回復を願うとともに、事件の早期解決を望むものであり、市といたしましては、引き続き関係機関と連携しながら、住民の皆様の不安を取り除く取組と子どもたちの安全確保に努めてまいります。
今議会は、市長就任後初めての定例会でありますので、今後の市政経営の所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。

私は、この度の市長選挙において、生まれ育った上田をより魅力的で暮らしやすいまちとするため、“市民の皆様とともに「上田再構築」”による市政を進めていきたいと申し上げてまいりました。
今、国や地方を取り巻く状況は、大きな転換期を迎えています。グローバル化の進展、技術革新の急速な進化、環境への意識の高まりなどが人々の価値観やライフスタイルの多様化をもたらし、その変化の速さは日々の生活においても実感できるものであります。
そして、私たちの地域社会に最も影響を与える問題は、地域に活力低下と担い手不足などをもたらす、少子高齢化・人口減少社会の到来であります。この大きな変化は、住民に一番身近な基礎自治体に対し、様々な課題への対応を迫っております。
私は、上田市の持続的発展に向けた政策目的の実現のためには、改革すべきは改革し、また、これまでの市政の着実な歩みを支えてきた取組を生かし、継続すべきものは更に磨き上げ充実させるといった柔軟な再構築の視点に立ち、まちづくりに取り組んでまいります。
日々の生活に目を向けると、こうした社会環境の変化が人間関係を希薄化させる一因ともなっておりますが、いつの時代も家族や地域とのつながりが大切であり、このつながりにより、安心感や充足感といった心の豊かさが生まれ、協力し合って自らの地域を築いていく力が育っていくものと考えています。
現在でも、上田市のまちづくりは、多様な人材やつながりに支えられています。地域コミュニティや防災をはじめ、環境、福祉、産業、文化芸術など様々な分野で人と人、企業と企業などのつながりが保たれており、この「つながり(連携)」をもっと増やし育てることが、このまちの更なる発展を促す原動力になるものと確信しております。そして、このような時代にあって、将来に夢と希望を持てる上田、誰もがいきいきと住みやすい上田を築き上げ、次の世代へ引き継いでいけるよう、誠心誠意取り組んでまいります。
こうした考えのもとで、私はこれから申し上げる4つの視点に基づき、まちづくりを進めてまいります。
一つ目の視点は、「市民が主役」、「市民力」を高めるまちづくりであります。市民力は、市民が自主的・主体的に地域課題を克服しようとする力、地域課題の解決を人任せにせず、できることは自分でやろうという意思を持った市民の力です。これまで以上に市民力が発揮できるよう地域内分権の確立に努めるとともに、市民の皆様との対話による、市政への参加や情報共有も進めてまいります。

二つ目の視点は、「人を大切」にするまちづくりを進めることであります。申し上げるまでもなく、上田市は市民の皆様一人ひとりによって成り立っており、市政推進の重要な柱は「多様な人」であります。お互いが認め合い、それぞれが持ち味を生かせるまちづくりを目指すことで、上田市の総合力が発揮されます。
また、持続的に発展するまちづくりには、人づくりが欠かせません。次代を担う子どもたちの育成に力を入れていくとともに、安心して子育て・子育ちができる環境づくりにも努めてまいります。併せて、高齢者や障がい者、外国籍市民の皆様、誰もが安心して暮らし続けられるまちづくりにも取り組んでまいります。
三つ目の視点は、「共感力」によるまちづくりを進めることであります。市民の皆様の生活の場である身近な地域において市民一人ひとりが感じる想いに心を寄せるといった「共感力」が、支え合う地域社会を築いていく源と考えます。私は職員とともに「共感力」を以って市民の想いを汲み上げ、市政を推進してまいります。また、市民同士の「共感力」もお借りしながら、地域に根差した施策を充実させていくことにより、暮らしがいのあるまちを目指してまいりたいと考えております。
四つ目の視点は、「暮らしやすさ起点」の発想で住みやすいまちづくりを進めることであります。暮らしやすいまちは、住み続けたい、住んでみたいまちであります。生活環境、道路網の整備、働く場の確保など、安全・安心なまちの基本的な機能に加え、学びたいときに学ぶことができ、スポーツなどができる質の高いまちを目指します。
暮らしやすいまちづくりは、満足感のある移住定住にもつながるものであります。シティプロモーションによる地域の魅力の情報発信も積極的に行いながら、流入人口の増加に努めてまいります。
以上、4項目を申し上げてまいりましたが、今後の市政の推進にあたりましては、こうした視点のもと、多くの皆様の参画を得て策定された、市政経営の羅針盤となる「第二次上田市総合計画」と、人口減少への歯止めと地域社会の維持・活性化を目指す「上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を両輪として、市民の皆様とともに「ひと笑顔あふれ 輝く未来につながる健幸都市」の実現に邁進してまいります。

資源循環型施設建設

それでは、主要な施策について、順次申し上げてまいります。
はじめに市政の最優先課題である資源循環型施設建設につきましては、市長選挙の期間中から、対話による相互理解と市民の英知による早期整備を訴えてまいりました。地元の皆様と信頼関係をもって話し合うことがスタートとの思いから、まずは市長としての初登庁日である4月9日に資源循環型施設建設対策連絡会をはじめ、諏訪部自治会、下沖振興組合の役員の皆様にお会いし、合意形成に向けた十分な話し合いの場を持つことをお願いいたしました。
諏訪部地域においては、住民説明会の開催について、自治会の御理解を得られていない状況でありますが、一方で住民の方からは「情報が届かない」「意見を述べる機会が欲しい」との声が寄せられておりました。そのため、広域連合と市から直接、諏訪部地域の全住民の皆様へ御案内を差し上げ、先月24日、「資源循環型施設に関する市長懇談会」を開催いたしました。施設の整備方針などを説明した後、出席された皆様からは諏訪部地域のまちづくりに対する思いを直接、お聞きすることができました。私からも清浄園用地での現計画を、地域の皆様に寄り添いながら真剣に進めていく決意を申し上げ、今後の御協力のお願いをしたところであります。
更に、先週31日から「サテライト市長室in清浄園」を開設いたしました。私が定期的に諏訪部地域の皆様と直接お話をさせていただくことで、より強い「つながり」をつくり上げてまいります。
また、5月30日には、私と資源循環型施設建設対策連絡会の皆様との懇談会を開催いたしました。引き続き、施設の安全性などについてテーマを定め、話し合いを続けていくことを確認したところであります。
今後も私自らが先頭に立ち、広域連合と連携を図りながら、十分な対話と丁寧な説明を重ねることで、施設建設に関する地域の皆様との合意形成に向け鋭意取り組んでまいります。一方、清浄園を廃止するため、南部終末処理場内へ「し尿前処理下水道投入施設」を建設する計画については、昨年来、下之条自治会の皆様に説明してまいりました。去る4月25日には、既存施設の南部終末処理場に対する改善要望として出されていた、緑化及び臭気対策の市の取組状況について報告させていただき、併せて今後の対応方針等について確認をいただいたところであり、引き続き、地元住民の皆様と十分な話し合いを重ねてまいります。

ごみの減量と再資源化

市では、市民・事業者・行政が、相互に連携・協力し、ごみの減量と再資源化に積極的に取り組んでまいりました。本年4月、環境省から平成28年度の「一般廃棄物処理事業実態調査」の結果が公表され、1人1日当たりのごみ排出量が822グラムの長野県が3年連続で全国最少となりました。上田市においても、前年度から8グラム減量し778グラムとなり、また、平成29年度の燃やせるごみの処理量も大幅減量となるなど、これまでの生ごみ堆肥化や資源物回収などの各種施策の展開と、関係機関との協働による啓発活動が、市民や事業者の皆様の減量に対する意識を高め、実践に結びついているものと受け止めております。
今後においては、本年3月に策定した「上田市ごみ処理基本計画」と「上田市ごみ減量アクションプラン」に基づいた取組を着実に推進し、豊かな自然環境と共生した暮らしやすい快適なまちの実現を目指してまいります。

ラグビーワールドカップ2019日本大会

いよいよ「ラグビーワールドカップ2019日本大会」の開催が来年に迫ってまいりました。
公認チームキャンプ地の誘致につきましては、ラグビーワールドカップ2019組織委員会による選定結果の発表を待つ段階となっておりました。残念ながら菅平高原は選ばれませんでしたが、これまで公認キャンプ地誘致について絶大なる御支援と御協力を賜りました関係機関並びに議員各位には、この場をお借りして御礼申し上げます。
一方、昨年10月に締結した上田市菅平高原キャンプ地誘致委員会とイタリアラグビー連盟との合意に基づき、ラグビーイタリア代表が先月26日から昨日まで、菅平高原で初のトレーニングキャンプを実施いたしました。キャンプ期間中は、公開練習日を設けるとともに、市内児童生徒等との各種交流なども行ったところであります。一昨日には長野市の長野Uスタジアムにおいて、ヤマハ発動機ジュビロとの国際親善試合が開催され、市内からも市民応援団を募り応援に駆けつけました。こうした取組を通じて、多くの皆様にラグビー競技の素晴らしさとイタリア共和国への親しみを感じていただけたものと思っております。
イタリア代表チームは、来年も菅平高原でキャンプを実施する予定でありますので、今回の取組をきっかけとして、菅平高原のスポーツ合宿地としての魅力の発信や、イタリアとの文化交流を進めることにより、後世に残るレガシーの創出につながるよう、様々な事業を展開してまいりたいと考えております。
また、こうした取組を2020東京オリンピック・パラリンピックへの機運の醸成につなげ、併せて長野県と共同で進めている中国を相手国としたホストタウン事業にも民官協働により取り組んでまいります。

自治・協働

続いて、活力ある自立した地域社会の実現と、すべての人の人権が尊重されるまちづくりに対する取組であります。
平成23年4月に施行した上田市自治基本条例では、基本理念の一つとして「参加と協働」による自治の推進を掲げており、市政への市民参加を基本とし、市民、市議会、市それぞれが役割分担のもとで協働するまちづくりを進めてまいりました。
こうした中、本年4月には市民意見募集手続(パブリックコメント)に関する要綱を定め、意見募集する計画等の対象範囲や公表方法、募集期間等について、全庁的に統一したルールの運用をスタートさせたところであります。市民の皆様に対する市の意思決定の過程における説明責任を果たすとともに、公正性の確保と透明性の向上を図ることで、市政への参加機会の拡充を更に推進してまいります。
地域住民が主体となってまちづくりを担う「住民自治組織」につきましては、市内全域での設立を進めており、今月26日には西部地域で設立総会が開催される運びとなりました。今後につきましても、「住民自治組織」の活動に対して人的・財政的に支援する制度の構築に取り組み、自治基本条例のもう一つの基本理念である「地域内分権」による自治の推進に努めてまいります。

また、この基本理念に謳われているとおり、市民一人ひとりを尊重するとともに互いに認め合い、それぞれのライフスタイルにあった幸福を感じられる社会の実現にも取り組んでまいります。女性も男性もすべての人が自らの意思によってその個性と能力を発揮でき、多様性が尊重される地域社会を形成するため、「上田市人権施策基本方針」及び「第3次男女共同参画計画」に基づいた施策の推進を図ってまいります。
上田市は県内2番目に多い外国籍市民が暮らす都市であります。多様な文化背景をもつ人々が暮らしやすいと思うまちは、誰もが住み続けたいまちと捉え、お互いの違いを認め合う多文化共生のまちづくりを市民一人ひとりに意識していただけるよう、関係機関と連携を図りながら、自立と社会参加を促進する、きめ細かな取組にも努めてまいります。

自然・生活環境

続きまして、安全・安心な快適環境のまちづくりに対する取組についてであります。
過去に経験したことのない局地的な大雨や大型台風などによる被害が全国各地で相次ぐ中、災害から命を守るための取組の一つとして避難場所の確保が重要であります。国では、災害対策基本法等を見直し、災害の危険から逃れるための「指定緊急避難場所」と、被災者が一定期間滞在する、生活環境の確保を目的とした「指定避難所」を明確に区別することとしております。こうした中、上田市では64か所の広域避難場所に新たな施設を加え、災害種別に応じてそれぞれ指定し、この4月から運用を開始いたしました。災害時に適切な避難行動が取れるよう、様々な機会を捉えて、市民、関係機関の皆様に周知してまいります。
災害に強い安全・安心なまちづくりには、市民や関係機関の皆様との連携も必須であります。自主防災組織や住民自治組織等における防災訓練の実施、地区防災計画や地区防災マップ等の作成に向けた支援に取り組むとともに、消防団につきましても、事業所等への御理解と御協力を求めながら団員の加入促進に努め、併せて消防団活動に従事しやすい環境づくりや安全装備品の充実も進めてまいります。

都市の骨格と風格を形成する幹線道路網の整備につきましては、交通渋滞の緩和、経済活動の活性化、地域間交流の促進、更には救急・防災機能を高める上で、着実に進めていく必要があります。国道18号バイパスをはじめ、市内各地域を結ぶ国道や県道、幹線市道について、着実な事業推進を図ることで、「上田地域30分(サンマル)交通圏構想」の実現を目指すとともに、市民の日常生活の利便性を高める生活道路の整備にも引き続き取り組んでまいります。
長野県道路公社が管理運営する平井寺トンネルにつきましては、本年8月25日以降、無料化されることとなりました。三才山トンネル、新和田トンネルとともに、東信地域と中南信地域を結ぶ基幹道路として、物流はもとより観光面や地域振興からも重要な道路であります。これまでの関係機関の皆様との要望活動が実を結んだもので、地域の皆様並びに議員各位の御支援と御尽力に感謝申し上げます。更に、三才山、新和田トンネルにつきましても、それぞれ2020年、21年に前倒しして無料化の方針が示され、今後ますます地域間交流が促進されていくものと期待しております。

上下水道事業につきましては、給水人口が減少する一方で、老朽化した施設の更新や災害対応の需要が高まっており、経営環境はますます厳しさを増している状況であります。水道事業では、今年度、水道事業ビジョンを策定し、老朽化した管路や浄水場の計画的な更新及び耐震化を進めることに加え、水運用計画に基づいた簡易水道統合を、2020年度完了を目指して取り組んでまいります。下水道事業につきましても、処理場や管渠等の更新、耐震化を着実に実施し、併せて事業の一層の効率化、健全化に向けて農業集落排水施設の統合を進めるとともに、今年度、下水道事業ビジョン及びストックマネジメント計画を策定してまいります。

産業・経済

続きまして、産業がいきいき発展するまちづくりの取組についてであります。
地域の経済情勢につきましては、5月に日本銀行松本支店が発表した金融経済動向では、「長野県経済は緩やかに拡大している」としております。雇用情勢についてもハローワーク上田管内の4月の有効求人倍率が1.63倍と前年同月を0.42ポイント上回り、堅調に推移している状況です。
このように地域の経済雇用情勢が着実な回復基調にある一方、市内中小企業を対象とする経営実態調査や事業所訪問においては、経営上の課題として人材の確保・育成が最も多く挙げられております。市といたしましても地域企業の人材確保を最重要課題と捉え、上田職業安定協会等、関係団体との連携を密にし、地域で学び育った若者の地元企業への就職、新卒学生や移住希望者のUIJターンの一層の促進を図ってまいります。また、企業誘致・留置をはじめ、サテライトオフィス等のテレワークの推進といった、働く場の創出にも積極的に取り組んでまいります。

国は、昨年12月、世界に先駆けて「生産性革命」を実現させるべく、「新しい経済政策パッケージ」を取りまとめ、「生産性向上特別措置法」により、産業の生産性を短期間に向上させるための必要な支援措置を講じることとしています。これにより市では、法に基づく中小企業の一定の設備投資に対し、固定資産税を3年間免除する特例措置を講じることとし、今定例会に上田市税条例の一部改正を提案いたしました。老朽化が進む設備が生産性の高い設備へと一新されることが期待されるものであり、中小企業等の取組を積極的に後押ししてまいります。
上田地域には、ものづくり技術や高等教育機関の集積をはじめ、産学官金連携、広域行政間連携の先進性といった多くの強みがあります。本年3月に策定した「商工業振興プラン」を、地域未来投資促進法に基づく「上田地域基本計画」と連動させ、この地域の特性を生かしながら、産業の一層の振興に取り組んでまいります。
次世代産業創出に向けた取組につきましては、先月16日に関係9市町村長の出席のもと「東信州次世代産業振興協議会」が開催され、これまで検討を進めてきた「東信州次世代イノベーションプラン」が承認されました。計画では、「次世代人材の確保」「次世代人材の育成」「次世代ビジネスモデルの推進」を基本戦略に掲げており、今後、東信州エリアに集積する技術や特性を生かして、「モビリティ(移動)」「ウェルネス(健康)」「アグリビジネス(農業)」の3つの分野のプロジェクトを進めてまいります。
中心市街地の活性化につきましては、地方創生推進交付金により、空き店舗を活用した複合型チャレンジショップを設置し、家賃補助や継続的な経営指導を行うなど、創業支援と移住定住推進を連動させた、総合的な空き店舗対策を展開してまいります。
また、ラグビーイタリア代表チームの来訪に合わせ、現在、上田駅から中心商店街一帯にわたってタペストリーを飾ることで歓迎の機運を高めており、この機会をまちなかへの誘客と販売促進につなげるため、真田十勇士ガーデンプレイスを中心とした事業に取り組んでまいります。
更に、今年度は池波正太郎真田太平記館が開館20周年を迎えることから、一層魅力ある特別企画展も実施するなど、多くの観光客や市民の皆様に訪れていただける事業を展開してまいります。

「信州上田」の知名度向上と交流人口の増加には、民官一体となった戦略的な観光PRと、おもてなしの体制整備に取り組んでいく必要があります。
信州上田まつり実行委員会主催による春のイベントが今年も盛大に開催され、「上田城千本桜まつり」は、開会式当日にソメイヨシノが満開を迎える華やかな幕開けとなりました。今年は台湾、中国など東南アジア方面を中心に海外から大勢のお客様にお越しいただき、昨年来インバウンドに力を入れてきた成果が現れてきているものと捉えております。また、4月29日に行われた「上田真田まつり」では、東京ディズニーリゾートや、信州上田観光プレジデント・プリンセスの草刈正雄さん、長野里美さんをはじめとする「真田丸」出演者によるパレードが開催され、「上田真田まつり」史上最多となる15万人に上るお客様をお迎えすることができました。
こうした市を代表する様々な誘客イベントについては、今回の結果に満足することなく一層魅力的なものとなるよう、磨きをかけていく一方で、高原、温泉地、寺社仏閣、近代産業遺産、食文化、ゆかりのある偉人・先人やアニメ映画など、当市が持つ豊富で貴重な観光資源を今一度見つめ直し、有効活用していくことで、交流人口の拡大と滞在型の稼ぐ観光につなげてまいりたいと考えております。
上田市の観光施策推進の一翼を担う信州上田観光協会につきましては、観光振興に関する事業の実践組織として体制拡充に向けた検討を進めるとともに、長野市や松本市をはじめとする広域連携や、インバウンド施策に積極的に取り組んでまいります。

さて、外国人宿泊者の急激な増加により、とりわけ大都市圏においては、旅館業法の許可を受けない施設が宿泊サービスを提供する「民泊」が問題となっており、民泊事業を行う際の一定のルールを定めた「住宅宿泊事業法」が今月15日に施行されます。この法律では、住環境の悪化につながる場合に限り県による民泊営業の規制がかけられるもので、上田市では交通渋滞等の恐れのある菅平高原、別所温泉、鹿教湯温泉における制限区域と期間の要望を県に対し行ってまいりましたが、県内の民泊の営業制限を検討する県の評価委員会において、このほどその内容が認められたところであります。市といたしましては生活環境の保全を第一とし、民泊事業の動向を把握しつつ、インバウンドの推進を図ってまいります。
農業を取り巻く環境は、農家の高齢化や農業所得の低迷に起因する担い手の減少、遊休農地の増加などにより、依然として厳しい状況が続いております。
市におきましては、大規模農家や若手新規就農者の育成、集落営農体制の強化を推進し、農作物の生産性向上につなげるとともに、国等の事業を積極的に活用することで遊休農地の解消と再生に取り組んでまいります。
生産者や事業者の皆様が意欲的に6次産業化に取り組めるよう、マッチングや販路開拓の支援も積極的に進めてまいります。上田には古くから日本酒やみそ、漬物といった数多くの発酵食品があります。先月6日には発酵をテーマとした「柳町発酵祭り」が民間主導で開催され、併せて市におきましても、11月に長野市で開かれる「全国発酵食品サミットinNAGANO」に向けたプレ大会を上田勤労者福祉センターで実施いたしました。両イベントでは、日本酒やワインをはじめ、パン、みそなどの発酵食品が存分に堪能でき、この地域の「食の豊かさ」を多くの皆様に感じていただけたものと捉えております。今後も農産物の付加価値向上を目指して、「上田ブランド」創出を支援し、攻めの姿勢で農業・農村の維持発展に努めてまいります。
都市と農村との交流は、地域の活性化につながる重要な施策であります。殿城地区における滞在型市民農園(クラインガルテン)整備事業については、県と連携を図り、地域の皆様の御協力をいただきながら早期完成を目指してまいります。
メルシャン株式会社による陣場台地における「椀子ワイナリー」の建設につきましては、現在、本年秋の着工に向けてほぼ計画通り進んでいるとお聞きしています。観光誘客や地元農産物の販売・消費拡大など、様々な分野において波及効果が期待され、加えて地域の活性化の拠点ともなり得る施設であり、市といたしましても、アクセス道路や排水設備の周辺環境整備などの支援を行ってまいります。

恵まれた自然との共生、良好な自然環境の創出には、森林・里山の整備が欠かせません。先月26日に、上小地区森林祭が開催され、2年前の全国植樹祭に引き続き、アカマツの松くい被害が進んだ東山市有林を広葉樹林へと樹種転換するための植樹が行われました。多くの市民の皆様にオオヤマザクラなど約2,000本の苗木を植えていただいたところであり、今後も自然に親しめる森林づくりに努めてまいります。
今年度から第3期としてスタートした「長野県森林づくり県民税」においては、防災・減災のための里山整備などのメニューも拡充されておりますので、積極的な活用を図り、住民協働による整備・利用を進めてまいります。

健康・福祉

続きまして、ともに支え合い健やかに暮らせるまちづくりの取組についてであります。
昨年度策定いたしました平成30年度から6年間の「第三次上田市民健康づくり計画」は、市民がより主体的に取り組むことができる健康づくりを推進するための施策を定め、健康寿命の延伸を目指すものであります。
「健康幸せづくりプロジェクト事業」につきましては、事業の柱として位置付けている「健康づくりチャレンジポイント制度」に引き続き取り組むとともに、今年度は働き盛り世代や若い世代の健康への関心を高め、気軽に健康づくりが実践できるよう、スマートフォンを活用した「健康づくり応援サイト・アプリ」を構築してまいります。また、「全国健康保険協会長野支部」との「健幸都市上田の実現に向けた包括的事業連携に関する協定」に基づき、市内事業所において「昼休みだヨ!健幸体操」事業を実施し、健康づくりへの直接的なアプローチを行ってまいります。
こころの健康づくりにつきましては、「自殺対策基本法」の改正や、国の「自殺総合対策大綱」の見直しを受け、関係機関と協議しながら今年度中に自殺対策計画の策定を進めてまいります。
地域医療の取組につきましては、地域医療再生計画終了後の継続事業が5年目となり、最終年度を迎えております。救急医療体制や周産期医療等においては着実に成果が出ておりますが、上小地域の医師数、看護師数は依然、県平均を下回っている状況であります。現在、上田地域広域連合を中心に構成市町村とともに、この間の事業成果を検証しているところであり、その結果に基づき今後の方向性を検討してまいります。
今年度から新たな常勤医師を雇用し、新体制でスタートいたしました上田市立産婦人科病院につきましては、市内分娩取扱い施設が減少した要因もあり、分娩件数、外来数がともに増加傾向となっています。安全な医療提供を行うため、隣接する信州上田医療センターの御協力をいただきながら、今後も地域で安心してお産ができる環境の維持に努めてまいります。

少子化、核家族化の進行、共働き家庭の増加など、子育てを取り巻く環境が大きく変化する中、切れ目のないきめ細かな支援が求められています。
公立保育園の整備につきましては、神川地区拠点施設整備事業において公民館との複合施設となる神川統合保育園を来年度の開園を目指し進めており、現在、建物の鉄骨工事が完了したところです。丸子地区における、みなみ保育園、東内保育園、わかくさ幼稚園の3園統廃合計画につきましても、定員120名の統合保育園として、2020年度中の完成を目指し鋭意取り組んでまいります。
また、安心して子育てと仕事の両立ができる環境整備として、丸子中央病院が設置する病児・病後児保育センターの整備に対し補助を行ってまいります。同センターは市内2か所目となり、要望の多かった千曲川左岸地域では初めてとなる施設であります。来年4月のオープンを予定しており、お子さんの病中・病後の安全な看護や保育体制の強化が図られるものと考えております。ソフト対策につきましても、子育て支援センターや発達相談センターにおける事業の充実に努め、多様なニーズに応じた子育て支援策を進めてまいります。

誰もがいきいきと安心して生活できる環境づくりは、地域全体を元気にします。障がいのある方や高齢者の皆様の暮らしをしっかりと支えてまいります。
本年度から、誰もが健康で幸福を感じる、優しさと思いやりのあふれる共生社会の実現を目指して「第5期上田市障がい福祉計画」と「第1期上田市障がい児福祉計画」がスタートいたしました。障がいのある方が、自ら望む地域生活を営むことができるよう、福祉サービス等の提供体制の確保や、その課題解決に向けた施策の総合的かつ計画的な推進に努めてまいります。また、全国手話言語市区長会へも加入し、障がい特性に応じた手話などのコミュニケーション手段の一層の普及と理解の促進について、関係機関の皆様とともに研究してまいります。
今後更なる高齢化が見込まれる中、高齢者の皆様が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるためには、「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取組を、より深化・推進していく必要があります。自立支援、介護予防・重度化防止、在宅医療・介護連携、認知症施策の推進のほか、施設基盤の整備や介護人材の確保、24時間在宅ケアサービスの取組にも努めてまいります。

教育

続きまして、生涯を通じて学び豊かな心を育むまちづくり、教育に対する取組についてであります。
学校教育につきましては、「第2期上田市教育支援プラン」に掲げた施策の推進に着実に取り組んでまいります。次代を担う子どもたちが、義務教育期にしっかりとした学力を身に付けることは大変重要であり、この4月に行われた全国学力・学習状況調査や、市独自で行っている学力調査の詳細な分析を行い、授業の改善につなげてまいります。また、家庭学習の習慣化を目指し、今年度から全小中学校で導入した生活・学習ノート「紡ぐ」の効果も検証してまいります。更に、本年4月より小学校3年生以上で英語教育を先行実施しており、2020年度からスタートする国の小学校英語教科化に的確に対応してまいります。
一方、国を挙げて「働き方改革」を推進する中、学校現場においても教員の長時間労働を見直し、本来の業務である子どもたちと向き合う時間を確保する取組が進められております。市では、今年度から中学校で「部活動指導員」を雇用し、教員に代わり部活動の技術的指導を担当していただくことで、教員の授業の準備や自己研鑽等の時間を確保し、質の高い授業の実現を目指してまいります。
成長社会から成熟社会への転換に伴う新たな時代に相応しい教育のあり方、また、少子化による小中学校の適正規模・適正配置の観点から、現在、今後の小中学校のあり方の検討を進めております。昨年度設置した「上田市小中学校のあり方研究懇話会」から、本年3月、教育の目標、内容、体制、環境などを主要な柱として、一定の方向性をまとめた提言をいただきました。この提言の趣旨を踏まえ、今年度から学識経験者や教育関係者、保護者代表者などで構成する「(仮称)上田市小中学校のあり方検討委員会」を新たに設置し、今後の上田市における望ましい教育の方向性について、ソフト・ハード両面から検討を重ねてまいります。

ライフスタイルが変化し、健康づくりへの関心が高まる中、誰もがいつでも気軽にスポーツに親しめるまちづくりを進めるため、広く各世代に参加いただけるスポーツイベントを、年間を通じて開催してまいります。また、2027年に49年ぶりとなる長野県での国民体育大会が開催されることとなり、当市においても競技の招致に取り組み、併せて各競技の振興や競技力の向上も図ってまいります。
スポーツ施設整備につきましては、市内に数多く点在する施設の今後の整備方針を定める「上田市スポーツ施設整備計画」を策定いたしました。いずれの施設も老朽化が進み、耐震改修や大規模改修、施設修繕等が必要である一方、人口減少社会に合わせた総量コントロールの視点も踏まえる必要があり、集約化による効率的な整備と利活用を図りながら、来たる国体開催にも対応してまいりたいと考えております。

文化・交流・連携

続きまして、文化芸術、交流・連携、移住定住による活力あるまちづくりの取組についてであります。
育成を基本理念に掲げる、「サントミューゼ」上田市交流文化芸術センター・市立美術館につきましては、平成26年10月にオープンし、現在、4年目を迎えております。これまで上田市を全国にPRできる特徴的かつ魅力的な事業を実施することにより、大変多くの皆様に来館いただき、ひと、まち、文化が育ち、賑わいや活力を生み出す施設として着実に歩みを進めております。また、昨年度から企業における文化芸術への支援活動である「企業メセナ」の取組も開始いたしました。
今後につきましても、魅力ある鑑賞事業や育成事業等を実施し、市民の皆様が身近に文化芸術に触れ、親しみ、自らが参加する機会の充実に努めてまいります。
一方、サントミューゼの事業活動や、運営等に係る経費についての検証が必要な時期であると考えております。昨年度から、来場者や利用者のアンケート評価、サントミューゼの集客による経済効果等も含めた事業評価を進めているところであり、その結果を踏まえて運営等に係る経費を検証し、今後の効果的な事業展開やよりよい施設運営を検討してまいります。

市内に残る有形・無形の文化財は、先人たちのたゆまぬ努力によって受け継がれてきた郷土の宝であり、これらをより良い姿で保存し後世に伝えていくことは、現代に生きる私たちの責務であります。市内の文化財を周辺の歴史的環境まで含めて総合的に保存、活用するためのマスタープランとなる「上田市歴史文化基本構想」につきましては、年内の策定を目指しており、併せて来年の「日本遺産」認定申請に向けた準備も進めてまいります。

平成28年に放送された大河ドラマ「真田丸」は、上田市の知名度向上や誘客促進に好影響をもたらしました。今年の「上田真田まつり」の賑わいからも、依然としてその効果をとどめているものと捉えており、この強みを生かせる今こそが、多くの皆様から「選ばれる都市」の実現のため、地域の様々な魅力を総合的、戦略的に市内外に情報発信していく絶好のタイミングであると認識しております。首都圏をターゲットとした交流人口、移住人口の増加に向けて、各種メディアを複合的に用いた情報発信をはじめ、幅広い取組を進めてまいります。
また一方で、市民の皆様のまちへの愛着や誇りを醸成し上田に住み続けてもらうため、SNSや地域情報誌などを活用し、地域の魅力の再発見、再認識につながる情報発信にも積極的に取り組んでまいります。
移住定住の推進につきましては、市の単独の取組に加え、上田地域の市町村とも積極的に連携する中、上田市は平成29年度の行政支援による移住者数が県内市町村でトップという結果となりました。今年度は空き家バンク制度の運営体制の強化や、登録物件の購入者への引っ越しに係る費用の補助にも取り組むなど、新たな施策も迅速かつタイムリーに講じてまいります。

長野大学ではこの春、公立化後初めてとなる卒業生274名を送り出し、新たに378名の新入生を迎えました。平成30年度入試においては、一般入試の志願倍率は8.3倍と、前年度に引き続いて目標の「志願倍率5倍」を超える結果となり、全国の多くの若者から上田市が学びの地として選ばれていることは誠に喜ばしいことであります。一方で、入学者のうち上田地域定住自立圏域を含む県内入学者は33パーセント余にとどまっており、今後、大学に対しましては、地域出身の志願者増加に向けた一層の取組と、卒業生の市内企業への就職志向を高められる取組に期待するとともに、市としても連携を図ってまいります。
また、大学では今後50年を見据えた「長野大学ビジョン」を策定し、併せて新たなシンボルマークを発表しました。更に、今年度を改革元年と位置付け、学部学科の再編や大学院設置の検討を進め、施設整備のマスタープランを策定することとしております。
市といたしましても、地域産業のニーズを把握しながら、長野大学が地域社会に貢献する人材育成の拠点となるよう大学とともに取り組み、併せて今年度から始まる業務実績評価においては、公立化後の大学運営の質的向上や効率化に資する議論を深めてまいりたいと考えております。

庁舎改修・改築と行財政改革への取組

最後に、庁舎改修・改築と行財政改革への取組について申し上げます。
上田市庁舎改修・改築につきましては、2020年度内の竣工を目指し、本年1月から新本庁舎の基本設計に取り組んでおります。市民の皆様の利便性を高めるため利用の多い窓口部門を集約するとともに、環境負荷の低減、ライフサイクルコストの縮減、防災機能の充実を踏まえた設計案を、先月まとめたところであります。今月中旬からパブリックコメントを実施し、加えて市民説明会や市民ワークショップを開催するなど、広く御意見をいただきながら本年9月の基本設計完了を目指してまいります。
南庁舎の耐震化につきましては、年度内に補強工事を完成させる予定であります。こうした事業の進捗に合わせて、来月から順次、市役所内の部署の移転・仮移転が始まりますが、市民の皆様が来庁された際に戸惑うことのないよう、周知や誘導に配慮してまいります。
武石地域の皆様のまちづくりの活動拠点や防災拠点にもなる「武石地域総合センター」の建設につきましては、現在、実施設計を行っております。コンパクトでありながら機能的で利便性の高い施設として2020年度の竣工を目指して取り組んでまいります。
また、丸子地域自治センターは、築後39年が経過し、耐震診断において補強が必要との結果が出ていることから、市民の皆様が安心して利用できる庁舎として、耐震化に向けた実施設計の準備を進めてまいります。

一方、地方財政につきましては、「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針2015」に沿って、平成28年度から30年度までの3年間、平成27年度地方財政計画と同水準の一般財源総額が確保されてまいりました。
こうした中、国の「経済財政諮問会議」においては、「歳出改革の推進に向けて国が地方と歩調を合わせて対応し、一般財源の総額の目安を今後も3年程度設ける」よう提言がなされており、地方に必要な額を確保しつつ、人口減少や高齢化を見据えて一定水準に抑えるとする、地方財政改革も織り込まれた「骨太の方針」が、今月を目途にまとめられることから、市といたしましてもこれらの動向を注視してまいります。
少子高齢化や人口減少社会の急速な進展に対応するためには、人口増加や産業振興、地域社会の維持・活性化等に向けた、新たな施策とまちづくりのための体制が必要となります。また、高度化・多様化する行財政需要への対応と、将来にわたり持続可能な行政運営を確立するためには、健全な財政基盤の確保や、事務事業の効率化、行政サービスの最適化に向けた不断の取組を重ねていくことが重要であります。
これらの取組の推進にあたっては、社会情勢の変化など様々な課題に柔軟、迅速に対応するための職員の人材育成や組織づくりを進めることはもとより、「市民力」との連携が不可欠であります。多様な主体が市政に参加・参画し連携する「新しい公共」の創出にも取り組んでまいります。更に、「第三次行財政改革大綱」と「公共施設マネジメント基本方針」に基づき、一層の自主財源の確保や業務の見直しも進め、併せて施設の複合化や集約化、中長期的な財政負担の軽減に努めながら、市民満足度の高い行政サービスの実現に取り組んでまいります。
以上、主な施策と行財政改革等について申し上げました。

議案の概要

今回提案いたします案件は条例案6件、予算案5件、事件決議案6件、報告事項10件の合計27件であります。
まず、条例案につきましては、先ほど申し上げました「上田市税条例中一部改正」のほか、福祉医療費給付事業において中学校卒業までの医療費が、本年8月から県内統一して現物給付方式となることに伴う「上田市福祉医療費給付金条例中一部改正」など、一部改正条例6件であります。
次に、平成30年度6月補正予算案について申し上げます。
今回の補正は、一般会計のほか、国民健康保険事業及び介護保険事業に係る2つの特別会計、産婦人科病院事業及び公共下水道事業に係る2つの企業会計の計上です。
一般会計では、当初予算が骨格予算編成であったことから、新規事業の経費や、国県及び各種助成事業の決定に伴う事業の経費など7億8,238万円余の増額補正を行い、予算現計は661億1,712万円余となっております。
主な予算の内容といたしましては、地方創生推進交付金事業として、空き家情報バンクを活用した移住定住推進事業や、健康幸せづくりプロジェクト事業などとともに、都市と農村の交流を促進する滞在型市民農園整備事業や、陣場地区の「椀子ワイナリー」関連事業に係る経費を計上いたしました。また、市内2か所目となる病児・病後児保育施設整備事業や丸子郷土博物館に併設する公文書館整備事業、ふるさと上田応援寄附金推進事業など様々な事業を計上いたしました。
次に、事件決議案につきましては、「北陸新幹線佐久平・上田間小牧橋補修及び耐震補強工事に関する協定の締結について」のほか、「字の区域変更」に係る議案など合計6件の提案であります。
最後に、報告事項について申し上げます。
「上田市税条例等の一部を改正する条例」等につきましては、平成30年度税制改正に伴う所要の改正について専決処分したものであります。平成29年度一般会計補正予算第7号ほか特別会計5会計につきましては、主に予算の最終調整のため専決処分したものであります。
なお、一般会計におきましては、公共施設整備基金等への積立金を計上いたしました。
また、倒木による物損事故に係る和解については、去る3月12日に専決処分したものであります。
以上、今回提案いたしました条例案、予算案、事件決議案及び報告事項の概要を申し上げました。各提出案件の内容につきましては、それぞれ担当者から説明いたしますので、よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。

結び

結びにあたりまして、私は市民の皆様から厳粛な負託を受け、今後4年間の市政の舵取りを担わせていただくこととなりました。この職責の重さを強く自覚し、市民総参加による「チーム上田」の総合力によって、一人ひとりにあたたかい陽があたり幸せを実感できるまち、そして未来の子どもたちからも感謝されるまちを築き上げてまいる所存であります。
そのためにも、私が常々申し上げている「政ヲ為スニ 徳ヲ以テス(為政以(いせいい)徳(とく))」を信条とし、「一(いっ)燈(とう)照(しょう)隅(ぐう) 万(ばん)燈(とう)照(しょう)国(こく)」の心を以って邁進してまいります。また、職員に対しては、「一人ひとりが幸せ創造仕掛人として市民の皆様から愛される市役所を目指そう」と呼びかけました。私自らが先頭に立ち、この愛すべき上田のため全身全霊で市政経営に取り組んでまいりますので、議員各位並びに市民の皆様には今後とも格別の御支援と御協力をお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。