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障がい者虐待の概要と虐待に関する通報・相談窓口
障がい者の虐待にかかわる通報や届出、支援などの相談は、上田市障がい者虐待防止センター又は上小圏域障害者総合支援センターまでお寄せください。
相談窓口
障がい者虐待防止センター
上田市役所障がい者支援課 電話番号:0268-23-5158
丸子地域自治センター市民サービス課 電話番号:0268-42-1118
真田地域自治センター市民サービス課 電話番号:0268-72-2203
武石地域自治センター市民サービス課 電話番号:0268-85-2068
上小圏域障害者総合支援センター
住所:上田市中央三丁目5番1号 電話番号:0268-28-5522
障がい者虐待とは
「障がい者虐待」の定義
障害者虐待防止法では、障がい者とは障害者基本法第2条第1号に規定する障がい者と定義されています。同号では、障がい者とは「身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む。)その他心身の機能の障がいがある者であって、障がい及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」としており、障害者手帳を取得していない場合も含まれる点に留意が必要です(対応の初期段階では、障がい者であることが判然としない場合もありますが、そうした場合でも、適切に対応することが重要です)。また、ここでいう障がい者には18歳未満の者も含まれます。
障害者虐待防止法では、障がい者虐待を、ア)養護者による障がい者虐待、イ)障がい者福祉施設従事者等による障がい者虐待及びウ)使用者による障がい者虐待に分け(第2条第2項)、以下のように定義しています。法第3条では「何人も、障がい者に対し、虐待をしてはならない。」と規定され、広く虐待行為が禁止されています。同条で禁止されている虐待は、「障がい者虐待」より範囲が広いと考えられます。
障がい者虐待の種類
ア 養護者による障がい者虐待
「養護者」とは、「障がい者を現に養護する者であって障がい者福祉施設従事者等及び使用者以外のもの」と定義されており、身辺の世話や身体介助、金銭の管理などを行っている障がい者の家族、親族、同居人等が該当すると考えられます。また、同居していなくても、現に身辺の世話をしている親族・知人などが養護者に該当する場合があります。
イ 障がい者福祉施設従事者等による障がい者虐待
「障がい者福祉施設従事者等」とは、障害者総合支援法等に規定する「障がい者福祉施設」又は「障がい福祉サービス事業等」に係る業務に従事する者と定義されています。
ウ 使用者による障がい者虐待
「使用者」とは、「障がい者を雇用する事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為をする者」と定義されています。この場合の事業主には、派遣労働者による役務の提供を受ける事業主など政令で定める事業主は含まれ、国及び地方公共団体は含まれていません。
障がい者虐待の例
区分 |
内容と具体例 |
---|---|
身体的虐待 |
暴力や体罰によって身体に傷やあざ、痛みを与える行為。身体を縛りつけたり、過剰な投薬によって身体の動きを抑制する行為。 |
性的虐待 |
性的な行為やその強要(表面上は同意しているように見えても、本心からの同意かどうかを見極める必要がある) |
心理的虐待 |
脅し、侮辱などの言葉や態度、無視、嫌がらせなどによって精神的に苦痛を与えること。 |
放棄・放任 |
食事や排泄、入浴、洗濯など身辺の世話や介助をしない、必要な福祉サービスや医療や教育を受けさせない、などによって障がい者の生活環境や身体・精神的状態を悪化、又は不当に保持しないこと。 |
経済的虐待 |
本人の同意なしに(あるいはだますなどして)財産や年金、賃金を使ったり勝手に運用し、本人が希望する金銭の使用を理由なく制限すること。 |
通報等による不利益取扱いの禁止
障がい者虐待防止法では、以下の2点が規定されています。障がい者虐待の事案を抱えてしまうことなく、通報を容易にすることで早期発見・早期対応を図るために設けられたものです。ただし、これらの規定が適用される「通報」については、虚偽であるもの及び過失によるものを除くこととされています。
- 刑法の秘密漏示罪その他の守秘義務に関する法律の規定は、障がい者虐待の通報を妨げるものと解釈してはならないこと。
- 障がい者福祉施設従事者等による障がい者虐待の通報等を行った従業者等や、使用者による障がい者虐待の通報等を行った労働者は、通報等をしたことを理由に、解雇その他不利益な取扱いを受けないこと。
障がい者虐待発見チェックリスト
虐待していても本人にはその自覚のない場合や虐待されていても障害者自らSOSを訴えないことがよくありますので、小さな兆候を見逃さないことが大切です。複数の項目に当てはまる場合は疑いがそれだけ濃いと判断できます。これらはあくまで例示なので、完全に当てはまらなくても虐待がないと即断すべきではありません。類似の「サイン」にも注意深く目を向ける必要があります。
身体的虐待のサイン
- 身体に小さな傷が頻繁にみられる
- 太ももの内側や上腕部の内側、背中などに傷やみみずばれがみられる
- 回復状態がさまざまに違う傷、あざがある
- 頭、顔、頭皮などに傷がある
- お尻、手のひら、背中などに火傷や火傷の跡がある
- 急におびえたり、こわがったりする
- 「こわい」「嫌だ」と施設や職場へ行きたがらない
- 傷やあざの説明のつじつまが合わない
- 手をあげると、頭をかばうような格好をする
- おびえた表情をよくする、急に不安がる、震える
- 自分で頭をたたく、突然泣き出すことがよくある
- 医師や保健、福祉の担当者に相談するのを躊躇する
- 医師や保健、福祉の担当者に話す内容が変化し、つじつまが合わない
性的虐待のサイン
- 不自然な歩き方をする、座位を保つことが困難になる
- 肛門や性器からの出血、傷がみられる
- 性器の痛み、かゆみを訴える
- 急におびえたり、こわがったりする
- 周囲の人の体をさわるようになる
- 卑猥な言葉を発するようになる
- ひと目を避けたがる、一人で部屋にいたがるようになる
- 医師や保健、福祉の担当者に相談するのを躊躇する
- 眠れない、不規則な睡眠、夢にうなされる
- 性器を自分でよくいじるようになる
心理的虐待のサイン
- かきむしり、かみつきなど、攻撃的な態度がみられる
- 不規則な睡眠、夢にうなされる、眠ることへの恐怖、過度の睡眠などがみられる
- 身体を萎縮させる
- おびえる、わめく、泣く、叫ぶなどパニック症状を起こす
- 食欲の変化が激しい、摂食障害(過食、拒食)がみられる
- 自傷行為がみられる
- 無力感、あきらめ、なげやりな様子になる、顔の表情がなくなる
- 体重が不自然に増えたり、減ったりする
放棄・放置のサイン
- 身体から異臭、汚れがひどい髪、爪が伸びて汚い、皮膚の潰瘍
- 部屋から異臭がする、極度に乱雑、ベタベタした感じ、ゴミを放置している
- ずっと同じ服を着ている、汚れたままのシーツ、濡れたままの下着
- 体重が増えない、お菓子しか食べていない、よそではガツガツ食べる
- 過度に空腹を訴える、栄養失調が見て取れる
- 病気やけがをしても家族が受診を拒否、受診を勧めても行った気配がない
- 学校や職場に出てこない
- 支援者に会いたがらない、話したがらない
経済的虐待のサイン
- 働いて賃金を得ているなのに貧しい身なりでお金を使っている様子がみられない
- 日常生活に必要な金銭を渡されていない
- 年金や賃金がどう管理されているのか本人が知らない
- サービスの利用料や生活費の支払いができない
- 資産の保有状況と生活状況との落差が激しい
- 親が本人の年金を管理し遊興費や生活費に使っているように思える
セルフネグレクトのサイン
- 昼間でも雨戸が閉まっている
- 電気、ガス、水道が止められていたり、新聞、テレビの受信料、家賃の支払いが滞っている
- ゴミが部屋の周囲に散乱している、部屋から異臭がする
- 郵便物がたまったまま放置されている
- 野良猫のたまり場になっている
- 近所の人や行政が相談に乗ろうとしても「いいよ、いいよ」「放っておいてほしい」と遠慮し、あきらめの態度がみられる