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松くい虫防除対策事業
松くい虫被害の状況
国内において最初に記録された松くい虫被害(マツノザイセンチュウ病による松の枯損被害)は、明治38年に長崎県で発生したものとされており、その原因は、北米から運び込まれた松材にマツノザイセンチュウが潜伏していたためと言われています。
その後、松くい虫被害は局所的な発生が見られていましたが、戦後、全国各地に拡大し、現在では、北海道を除く全ての都府県で被害が確認されています。
上小地域においては、昭和59年に旧上田市、昭和61年に東部町(現東御市)・旧真田町、昭和62年に旧丸子町・青木村、平成13年度に長門町(現長和町)・旧武石村で被害が確認されており、現在では、県下2番目の松くい虫被害地域となっています。
被害にあった森林 被害木処理後の集積
松くい虫被害の仕組みについて
松くい虫被害は、マツノザイセンチュウという、体長1ミリメートルにも満たない小さな線虫が、マツを弱らせ、枯らせてしまいます。
線虫は、自分では別の木に移動することはできませんが、この線虫を健康なマツに運んで病気を蔓延させる運び役となっているのがマツノマダラカミキリです。
上田市が実施している松くい虫対策
枯れたアカマツは、マツノマダラカミキリの産卵源となり、更に被害が拡大する要因となります。
市では、被害木の伐倒くん蒸をはじめ、予防効果のある地上薬剤散布や、樹幹注入などの様々な対策事業を国・県の補助金を活用しながら実施しています。
森林所有者の皆様へ
事業を実施するにあたり、森林所有者の皆様には以下の点についてご理解、ご協力をいただきますようお願いします。
市で実施する伐倒くん蒸作業については、被害木処理量が非常に多く、迅速な対応が求められるため、事前に森林所有者の皆様にご連絡することなく処理をすることがあります。
作業の際に市の委託業者が私有林へ立入り、被害木、支障木の伐採を行います。伐採した被害木等は、近くに集積し、薬剤によるくん蒸、シート被覆を行います。なお、事業実施後の集積の撤去や移動は行いません。
被害の拡大状況や予算の制限等により、市で被害木の処理を実施できる箇所は、市内全体の一部に限られています。宅地や農地と同様に、森林も所有者の財産ですので、森林所有者の皆様による被害木処理や間伐、除伐等の適正な森林管理を行ってください。