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景観ウォッチング~下之郷編~
景観ウォッチング~下之郷編~を開催しました
下之郷は、「美しい日本の歴史的風土準百選」に選定されている塩田平の東端に位置し、集落には農業や養蚕業が盛んだったことを物語る伝統的な建築様式をもつ民家が多く残り、また、古くから人々の信仰を集めてきた生島足島神社などの文化的遺産や、田園地帯を走る姿がのどかさを感じさせる上田電鉄別所線など、塩田平の広がりのある空間を基調として、自然、文化、人びとの生活が美しく調和した田園景観が形成されています。
今回の景観ウォッチングでは、下之郷の集落を中心に散策し、歴史ある農村集落のおもむきを感じさせる家なみや田園景観を訪ね、塩田平の景観の魅力を考えました。
日時
平成26年3月15日(土曜日) 午前10時から午後0時30分頃まで
コース
下之郷集落~生島足島神社~長福寺~別所線下之郷駅周辺~下之郷公民館着(約3キロメートル)
コースについてはこちらの資料もあわせてご覧ください。
景観ウォッチング下之郷コース[PDFファイル/1.5MB]
講師
牧谷 孝則さん
(市景観審議会委員、市景観アドバイザー、NPO法人ルーバンデザイン研究所理事長)
下之郷公民館
大屋根と下屋のバランスがとれた風格のある建物です。敷地内には大正ロマンを感じさせる分館(旧東塩田郵便局)があり、純和風の公民館建物との対比がおもしろい。
酒店
何層にも重なった母屋の屋根とおもむきある古びた土蔵の置き屋根が、手前の土塀・木塀や畑、背景の山並みとともに、均整のとれた素朴な美しさを生んでいます。
蚕室造りの民家
集落内には、かつて養蚕業が盛んだったことを物語る蚕室造りの民家が数多く見られます。
下之郷の集落
塩田平は、江戸時代には塩田三万石と言われた米どころでした。下之郷の集落には、小路沿いに伝統的建築様式をもつ民家が見られ、落ち着いた農村集落景観を形成しています。
生島足島神社大鳥居
下之郷の集落から約400メートルほど北東に、生島足島神社の大鳥居が建っています。もとは明治中期ごろに建立されたものが、構造改善事業や道路工事などを経て、平成2年に建て替えられて現在の姿となりました。
集落から望むと、大鳥居の背後には小高い東山が位置していますが、その山腹には下之郷古墳群が分布しており、この地に古代から人が居住していたことがわかっています。
生島足島神社参道
生島足島神社は、平安時代の「延喜式」に諏訪神社と並んで大社と記されていることから、格式の高い神社であることがわかります。
上田電鉄別所線の下之郷駅から続く参道はけやき並木となっており、散策を楽しむことができます。
上田電鉄別所線
独鈷山の特徴的な山並みを背景に、塩田平の田園の中を上田電鉄別所線の車両がのどかに走る風景は、多くの人に親しまれています。
かつて、下之郷駅からは、塩田と丸子西部を結ぶ上田丸子電鉄の西丸子線が通っていました。現在では、西丸子線跡は田んぼの中をまっすぐに伸びる道路となり、当時の名残をとどめています。
(注)それぞれの解説は、上田のすてき会発行『上田のすてき100』および講師のお話を参考に作成しました。また、写真は、当日写真および事前に撮影した写真を使用しています。