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令和6年12月12日記者会見内容
目次
1. 市長冒頭のあいさつ
報道機関の皆様には、お集まりいただきありがとうございます。
本日は、今年最後の記者会見となります。
「12月市議会定例会最終日に提案する議案」のほか、一年間の上田市政を振り返り、主だった出来事を記載した資料を、お手元に配布させていただきましたので、その中から何点か申し上げます。
2. 12月市議会定例会について
はじめに、12月市議会定例会最終日に提案する議案について申し上げます。
今回提案します案件は、条例案1件、予算案7件の合計8件であります。
条例案、予算案ともに、人事院及び長野県人事委員会による令和6年の給与改定の勧告に伴う、上田市職員等の給与及び各種手当についての条例改正、及び給与改定に必要な予算の計上が主な内容でございます。
(1) 条例案について
まず、条例案から申し上げます。会見要旨の1ページをご覧ください。
条例案については、議案第117号「上田市職員の給与に関する条例等中一部改正について」の1件の提案を予定しております。
これは、先ほど申し上げました、人事院及び長野県人事委員会による令和6年の給与改定の勧告に基づき、上田市一般職員をはじめ、再任用職員、特定任期付き職員の給与及び各種手当の改定とともに、常勤の特別職の職員及び市議会議員の期末手当を改定するため、所要の改正を行うものです。
併せて、刑法等の一部改正に伴い、所要の改正を行うものです。
(2) 予算について
次に、12月追加補正予算ついて申し上げます。
今回の追加補正予算は、先ほどの条例改正のとおり、人事院勧告等に基づき上田市職員等の給与改定を実施するにあたり、各会計において必要となる経費を計上するものです。
具体的には、一般会計のほか、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、介護保険事業特別会計、水道事業会計、公共下水道事業会計、農業集落排水事業会計の7会計に係る予算計上であります。
まず、一般会計補正予算第6号でございますが、4億234万円余の補正でございます。
今回の補正予算により、一般会計の予算規模は、769億9,902万円余となり、前年同時期の予算額と比較して1.3パーセントの減となっています。(前年同期の合計額 780億1,461万円余)
続いて、特別会計につきましては、3つの会計において、1,123万円余の補正でございます。
これらの補正予算により、特別会計全体の予算規模は、351億7,399万円余となり、前年同期の合計額と比較して0.1パーセントの増となっています。(前年同期の合計額 351億3,423万円)
最後に、企業会計につきましては、3つの会計において1,263万円余の補正でございます。これらの補正予算により、企業会計全体の予算規模は195億8,145万円余となり、前年同期の合計額と比較して7.7パーセントの増となっています。(前年同期の合計額 181億8,581万円)
以上、提案する議案の概要について申し上げました。
3. 令和6年を振り返って
続きまして、令和6年の振り返りについて、申し上げます。
石川県能登半島地震に対する取組
はじめに、年初に発生いたしました能登半島地震から、早くも1年が経とうとしております。被災された皆様に、改めて心よりお見舞い申し上げます。
当市におきましては、被災地支援の一環として、給水支援をはじめ、建築物の被害調査や避難所運営など、多岐にわたる分野で職員派遣を実施いたしました。
被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げますとともに、来たる年が、被災地の皆様、そして当市の市民の皆様にとりまして、平穏で実り多き一年となりますことを、切に願うところであります。
酒井教育長着任
次に、「酒井教育長の着任」について申し上げます。
4月から着任いただきました酒井教育長におかれては、教育現場から行政まで幅広いご経験と深い見識、そして教育に対する熱意を存分に発揮され、当市の教育行政の更なる発展に、全力で取り組んでいただいております。
令和7年につきましても、子どもたちの輝かしい未来のため、酒井教育長とともに、教育の更なる充実に、全力で努めてまいります。
第三次上田市総合計画策定に着手
次に、「第三次上田市総合計画策定に着手」について申し上げます。
市民の皆様との協働により新時代を創造し、「共感力」と「市民力」を最大限に活かした市政運営を進めるため、令和8年度を初年度とする第三次上田市総合計画の策定を鋭意進めております。
この計画策定にあたりましては、6月の第1回総合計画審議会を皮切りに、全体会、専門部会と協議を重ね、幅広い分野の委員の皆様に熱心にご議論いただいております。
また、各種アンケート、サテライト市長室、ワークショップなど、小学生から高齢者まで、多くの市民の皆様から貴重なご意見などをいただいており、こうした内容につきましても計画に反映させていきたいと考えております。
少子高齢化や人口減少社会という課題に直面する中、市民の皆様が安心して暮らせ、将来に希望や誇りを持てる上田市づくりに向けた計画となるよう、引き続き、市を挙げて取り組んでまいります。
資源循環型施設建設に向けた取組
次に、「資源循環型施設建設に向けた取組」について申し上げます。
市としても優先課題に位置付ける、上田地域広域連合の資源循環型施設建設につきましては、まもなく環境影響評価の手続きが完了する予定であります。
また、地元関係団体の代表の皆様とは、「安全・安心な施設」と「地域のまちづくり」を2本の柱として、施設建設における地域の合意形成に向けた大詰めの協議を行っております。
施設周辺の道路整備など地域課題の解決に向けた取り組みを進めるとともに、早期に施設の建設地を決定できるよう、地元住民の皆様にご理解とご協力をお願いしてまいります。
また、可燃ごみの減量と生ごみの堆肥化を目指す「有機物リサイクル施設」につきましては、住民説明会などを通じて皆様から様々なご意見やご要望をいただいており、これらを参考にさせていただきながら、施設規模や事業費、スケジュールなどの精査を含め、今後、更なる検討を行い、効果的な生ごみ減量・再資源化の事業推進を図ってまいります。
私たちの生活を支えるごみ処理事業を継続させるため、資源循環型施設の早期建設に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。
将来を見据えた安定的な水道事業運営に向けた取組
次に、「将来を見据えた安定的な水道事業運営に向けた取組」について申し上げます。
これからの水道を守り、将来へ引き継いでいくことは、市としても重要な課題と位置付けており、4月から、長野市、千曲市、坂城町及び長野県企業局とともに、「上田長野地域水道事業広域化協議会」を設立し、水道事業の広域化について詳細な検討と協議を進めてまいりました。
安全・安心な水道水を将来にわたり安定供給するために、水道事業の広域化は有効な手段と捉えておりますが、これまでも様々なご意見を頂戴しております。
現在、市民説明会を市内9会場で順次開催しているところでありますが、引き続き、地域にふさわしい水道事業のあり方を市民の皆様と一緒に考え、方向性を示せるよう取り組んでまいります。
ゼロカーボンシティの実現に向けた取組
次に、「ゼロカーボンシティの実現に向けた取組」について申し上げます。
昨年11月に国から選定を受けた脱炭素先行地域につきましては、市と関係事業者により、事業を主体的に実施する地域エネルギー会社「株式会社サントエナジーうえだ」を7月に設立いたしました。
同社を中心に、上田電鉄別所線への再エネ電力の供給をはじめ、沿線エリアにおける太陽光発電設備や蓄電池導入などエネルギー関連事業の本格稼働に向けて準備を進めております。
今後も、地域の強みを生かしながら、市民・事業者・行政が一丸となって、人と自然が調和したゼロカーボンシティうえだの実現に向けた施策を推進してまいります。
安心して出産・子育てができるまちづくりに向けた取組
次に、「安心して出産・子育てができるまちづくりに向けた取組」について申し上げます。
当市では、子どもを産み、育てる喜びが実感できる社会の実現を目指し、子育て環境等の充実に鋭意取り組んでおります。
こうしたなか、4月には、「こども家庭センター」を開設し、母子保健と児童福祉の一体的な運営により、全ての妊産婦、子育て世帯、そして、お子様への包括的な相談支援体制を整えました。
加えて、産後ケア事業の充実に向けた、助産師による産婦支援サービスの拡充、利用料の負担軽減、さらに、3歳未満児の保育料軽減事業も開始いたしました。
今後も、子育て世代の皆様に寄り添い、ニーズに耳を傾けながら、さらなる子育て支援の充実に努めてまいります。
医療的ケア児等支援体制の整備に向けた取組
次に、「医療的ケア児等支援体制の整備に向けた取組」について申し上げます。
障がいをお持ちの方や、医療的ケアの必要な障がいのある方々の生活の場を広げ、ご家族の負担を軽減するなど、安心感のある切れ目のない支援を提供することは、私ども地方公共団体の重要な責務であると考えております。
市では、4月に医療的ケア児者及び重症心身障がい児者と、その家族が、地域で安心して生活できるよう、防災相談及び災害時対応に関する情報収集・発信等を行う防災・交流拠点として、民間の通所施設「ごきげんスペース上田」を、「医療的ケア児等災害対応サポートセンター」として位置づけました。
また、公の通所施設である「上田市つむぎの家」は、建物の老朽化や耐震設備のない状態であるなど、施設の在り方が大きな課題となっておりましたが、5月に移転改装を行い、新たな場所での運営を開始し、通所する皆様が安心して過ごせる環境を整備いたしました。
今後も、共に支え合う社会の実現を目指し、障がいをお持ちの方々への支援の充実に鋭意取り組んでまいります。
高齢者が安心して暮らせるまちづくりに向けた取組
次に、「高齢者が安心して暮らせるまちづくりに向けた取組」について申し上げます。
超高齢化社会の進展とともに、認知症の症状のある高齢者の増加が予想されるなか、その早期ケアと、ご本人、ご家族への支援の重要性が増しております。
当市では、国の施策を活用し、認知症に関する専門職の方々ならではの知見を活かし、ご本人、ご家族の精神的、身体的負担の軽減に資する助言等を継続的に行う、伴走型の支援窓口を設置いたしました。
この事業は県内初の試みであり、本年度は市内1か所での開始となりましたが、来年度以降、順次拡大を図ってまいります。
認知症の方々が尊厳を持ち、住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現に向け、今後も高齢者施策の充実に努めてまいります。
教育・文化・スポーツの振興に向けた取組
次に、「教育・文化・スポーツの振興に向けた取組」について申し上げます。
はじめに、当市では、昨年度から、所有する公共施設等に企業名や商品のブランド名などを付与するネーミングライツを実施しております。
こうしたなか、2月に、菅平高原スポーツランド及びアリーナについて、スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店として事業を展開されている株式会社ドーム様と、市として初となるネーミングライツ契約を締結いたしました。
この契約締結を契機として、様々なスポーツイベントの開催、また、菅平高原をイメージしたオリジナルデザインを配したスポーツウェアの販売など連携事業を実施していただいております。
今後も、更なる連携を深め、両施設の利用者の増加やスポーツイベント等を通じて菅平高原、更には市全体の賑わいの創出につなげてまいります。
次に、平成26年のオープンから10年目を迎えました「サントミューゼ」上田市交流文化芸術センター・上田市立美術館でございますが、本年度を10周年イヤーと位置づけ、より多くの皆様に文化芸術に親しんでもらうため、一年を通じて多彩なプログラムを展開しております。
また、11月には、公益財団法人群馬交響楽団と当市との連携・協力に関する協定も締結し、今まで以上に同楽団との関係を継続的に深め、さらなる音楽芸術の普及向上、教育及び文化の振興に努めてまいります。
地域防災力の向上に向けた取組
最後に、「地域防災力の向上に向けた取組」について申し上げます。
近年は、地球環境の温暖化を起因とした災害に加え、能登半島地震や南海トラフ巨大地震発生の危険性を踏まえ、市では、多様な災害に備えた防災体制の基盤強化を進めております。
こうした取り組みの一環として、本年は、複数の民間事業者と災害時応援協定を締結し、災害発生時の協力体制の強化を図るとともに、自主防災組織や消防団をはじめ、防災関係機関との更なる連携強化も進めてまいりました。
また、本年は東日本台風災害から5年目という節目の年であるとともに、元日に発生した能登半島地震の教訓を踏まえ、防災に対する知識と意識の向上に向けた新たな取組として、今月14日に上田文化会館ホールにて「上田市防災シンポジウム」を開催いたします。
多くの市民も皆様にも、ぜひ、ご参加いただければと思っております。
私からは、以上となります。
報道機関の皆様には、来年もよろしくお願いいたします。