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令和5年2月10日定例記者会見内容
目次
1.市長冒頭のあいさつ
報道機関の皆様には、お集まりいただき感謝申し上げます。
2.3月市議会定例会について
それでは、2月17日に招集を予定しております3月市議会定例会に提案する議案について説明させていただきます。
今回提案いたします案件は、条例案が13件、予算案が17件、事件決議案が5件の計35件であります。
(1)条例案について
それでは、条例案から申し上げます。
はじめに、子育て支援策としまして、議案第5号「上田市福祉医療費給付金条例」と議案第7号「上田市国民健康保険条例」の一部改正について申し上げます。
私の公約であります「上田再構築プランver.2.0」の5つのプランのひとつに「教育・子育て環境・文化の充実を促進する」ことを掲げています。その中で、子育てがより安心してできる上田市を目指し、子どもの医療費助成の対象を18歳まで拡大することを方策の一つとしております。今回、福祉の向上や子育て支援を目的とし、福祉医療費につきまして、支給対象である児童の上限年齢を15歳到達年度末(中学校卒業)から18歳到達年度末までに拡大し、より多くの子育て家庭を対象として、医療費の負担軽減を図ってまいります。また、健康保険法施行令等の一部を改正する政令が令和5年2月1日に公布され、令和5年4月1日から出産育児一時金の支給額が、これまでの40万8千円から48万8千円に引き上げられることとなりました。これに伴い、「上田市国民健康保険条例」について所要の改正を行い、更なる子育て支援の充実を図ってまいります。
次に、議案第6号「上田市看護師確保修学資金貸与条例」の制定について申し上げます。上小圏域における人口当たりの看護師数は、長野県全域の数値を大幅に下回っており、特に救急医療体制を担う市内輪番制病院及び信州上田医療センターでは慢性的な看護師不足に陥っている状況です。また、上田市内には看護師養成課程を有する4年制大学が存在しておりませんが、看護師の役割の複雑化・多様化に伴い、より充実した看護師基礎教育を提供する4年制大学への志向が強まっています。上田市内には看護師養成課程を有する4年制大学が存在しておりません。こうした背景から、看護師を目指し市外の看護系大学に進学しようとする市内出身学生の修学を後押しするとともに、広範な知識・技能を有する看護人材となった市内出身学生が、大学卒業後に市内医療機関へ就職していただくことにより看護師の確保を図るため、修学資金貸与制度を創設することといたしました。貸与額は年額40万円とし、貸与期間は看護系大学を卒業するまでの4年間を限度といたします。また、看護系大学を卒業後、指定医療機関において貸与期間と同期間、看護師の業務に従事した場合には、貸与を受けた資金の全額が免除されるものとします。今後、この制度の活用により、市内の医療提供体制がより充実したものとなるよう期待しています。
次に、議案第10号「上田市特別職の職員等の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例」の一部改正について申し上げます。少子高齢化の影響や就業構造の変化により、全国的に消防団員の減少が続いており、当市においても同様の状況となっております。特に20歳代から30歳代の消防団員のなり手の減少が顕著であり、今後の地域住民の安全・安心を支える地域防災力の低下が懸念されております。市では、団員の確保策として令和4年度から消防団員の年額報酬の増額と災害に係る出動報酬を創設し、処遇改善の取組を進めてきておりますが、団員数の減少傾向を止めるまでには至っておりません。このような状況を踏まえ、更なる消防団員の確保策として、消防団活動のうち、火災や風水害等の災害活動や避難誘導などの特定の業務を担当する、機能別団員を任用する制度を創設することといたします。今後も、消防団とともに団員確保に取り組んでまいりますが、市民の皆様をはじめ関係機関の皆様の御協力をお願い申し上げます。
条例案については以上です。
(2)予算案について
次に予算につきまして、まず、地方財政を取り巻く情勢について申し上げます。
最初に、国の予算等についてであります。1月23日に招集された第211回通常国会において提出されました令和5年度当初予算案では、一般会計総額は昨年度当初予算に比べ6.3パーセント増え、114兆3,812億円と11年連続で過去最大となりました。歳入面では、税収見通しは6.4パーセント増の69兆4,400億円を見込み、歳出面では「令和4年度第2次補正予算と一体として、足元の物価高を克服しつつ経済再生の実現に向け、人への投資、GX、DXといった成長分野への大胆な投資、少子化対策・こども政策の充実など重要な政策課題について必要な予算措置を講じることで、我が国経済を持続可能で一段高い成長経路に乗せていくことを目指す。」としております。
一方、地方財政について今月7日に閣議決定されました「令和5年度地方財政計画」では、地方一般財源総額は、交付団体ベースで前年度を1,500億円上回る62兆1,635億円が確保されました。このうち、臨時財政対策債は前年度から7,859億円抑制され、地方交付税の総額については、5年連続で増加し前年度比3,073億円、1.7パーセント増の18兆3,611億円となり、安定的な財政運営に必要となる地方一般財源について、令和4年度を上回る額が確保され、地方が望む方向での配慮がなされたものと考えております。
【令和5年度当初予算の概要について】
次に、上田市の令和5年度当初予算について申し上げます。
まず、予算編成の基本的な考え方であります。
令和5年度は、「第二次上田市総合計画・後期まちづくり計画」の3年目の年であり、総合計画に掲げる将来都市像を具体化するための施策展開を念頭に置き、市政の重点課題として6つの「重点分野」を設定し、これを具体化する事業に重点的に財源配分を行いました。
歳入につきましては、地方財政計画において地方の一般財源総額は確保されており、税収見通しは4.0パーセント増が見込まれていることから、市税全体では令和4年度から2億円余、1.4パーセント増の218億円余を予算計上いたしました。なお、歳出関係の具体的な内容につきましては、後ほど申し上げます。
次に、令和5年度当初予算の予算規模でありますが、まず一般会計においては、当初予算額713億5,000万円となり骨格予算編成であった前年度の当初と比較して4.3パーセントの増となっております。特別会計は6会計で、総額346億3,637万円余となりました。これは、前年度の当初予算額と比較して、0.1パーセントの増となっております。企業会計は4会計で、総額181億2,975万円余となりました。令和4年度末の真田有線放送電話事業会計の廃止、産婦人科病院事業会計の事業規模縮小などにより、前年度の当初予算と比較して、1.3パーセントの減となっております。
【令和5年度当初予算の特徴について】
次に、令和5年度当初予算の特徴について申し上げます。
主な事業については、資料に記載のとおりでありますが、この中から新規あるいは充実した事業を中心に何点か申し上げます。
まず、「生涯現役で活躍できる上田の実現に向けた健康・福祉の増進」についてであります。「周産期医療緊急対策事業」におきましては、将来にわたる安全・安心な周産期医療提供体制の構築に向け、市立産婦人科病院の医療機能を信州上田医療センターに集約する取組を進めてまいります。このほか、「市民健康づくり計画等改定事業」として、市民の健康課題に対応した施策を総合的に展開していくため、「第四次上田市民健康づくり計画」や「第3次上田市食育推進計画」の策定に取り組んでまいります。
次に、「子ども・子育て・教育支援、未来を担う人づくり」についてであります。「出産・子育て応援交付金事業」は妊娠期から出産、子育てまで一貫した伴走型の相談支援の充実と経済的支援を実施するもので、国の令和4年度第2次補正予算で創設された事業です。「上田市出産祝金」は、「上田再構築プランver.2.0」に基づく施策で、すべての妊婦・子育て家庭が安心して出産・子育てができることを目指した市独自の制度であり出産に対するお祝いに加え、第1子から第3子以降まで段階的に金額を加算した政策的な給付金として、令和5年度から開始することといたしました。教育環境の整備として進める「第五中学校改築事業」におきましては、既存体育館の解体のほか、新校舎棟の建設を進めてまいります。
次に、「市民が主役のまちづくり、魅力ある地域づくりの推進」についてであります。市民活動団体の皆様が地域の活性化やまちづくりに資するため自主的・主体的に取り組む際の「活力あるまちづくり支援事業」について、更なる地域活性化の取組を行うことができるよう対象事業を追加してまいります。「(仮称)市民ICT支援センター整備事業」では、既存のマルチメディア情報センターについて、事業内容を見直したうえで市役所の東庁舎へ移転を計画しており、庁舎改修の実施設計に係る経費を計上しております。文化財や歴史的資源を活かしたまちづくりとして進める「上田城跡整備事業」においては、武者溜り復元に向けた取組を進めるとともに、本丸7つ櫓の復元的整備については、整備につながる有効な資料収集を行うため、新たに懸賞金を設け更なる事業の推進を図ってまいります。
次に、「SDGsの推進と循環型社会の形成及び地球温暖化防止対策」についてであります。資源循環型施設の建設につきましては現在、上田地域広域連合において環境影響評価を実施しておりますが、令和5年度は、地域のまちづくりに関する計画の策定にも取り組んでまいります。合わせて、「し尿前処理下水道投入施設整備」、生ごみを堆肥化する「有機物リサイクル施設整備」につきましても、地域住民の皆様の御理解と御協力をいただきながら進めてまいります。また、ゼロカーボンシティの実現に向けた取組として、太陽光発電設備などの導入に対する補助制度を実施するとともに、公共施設の環境負荷低減及び電力使用量の削減を図るため市内中学校施設の照明器具を一斉にLED化する事業を進めてまいります。
次に、「安全・安心に暮らせるまちづくり」についてであります。安全・安心に暮らすことができる環境整備の一環として、橋梁の耐震化やトンネル及び道路の修繕について計画的に進める「インフラ長寿命化修繕事業」を進めるとともに、防災減災の取組として、「緊急自然災害防止対策事業」に取り組んでまいります。加えて、安全・安心な公共交通の維持のため、「別所線千曲川橋梁の橋脚補強工事」を実施してまいります。また、地域の防災・減災力の向上に向け自主防災組織による防災用資機材の整備に対する支援を充実するほか、消防団活動における「機能別団員制度」の導入や、「消防団車両等の更新」を進めてまいります。このほか市営住宅の管理事業につきましては、市民サービスの向上及び事務の効率化を図るため、長野県住宅供給公社へ委託する経費を計上しております。
最後に、「産業振興と地域経済の活性化」についてであります。農業振興の一環として、農業の担い手育成や農業技術と最先端技術を組み合わせたスマート農業の普及にむけた実証実験を進めてまいります。また、「農地利用効率化等支援事業」として、農業用機械・施設の導入に対して補助金を交付し、生産性の効率化を支援してまいります。商工業振興では、国の地方創生推進交付金を活用し「生産性向上投資促進事業」として、生産性向上と温室効果ガス削減を目的とした設備投資を行う市内中小企業者に対する支援を実施するとともに、「多様な働き方推進事業」、「企業誘致型ワーケーション推進事業」などを実施してまいります。このほか、「サニアパーク菅平」において、第3種陸上競技場の公認更新に向けた改修事業や「武石番所ヶ原スキー場」のレストハウスの改修を行ってまいります。
以上、重点6分野の主な施策・事業について申し上げました。
【令和4年度3月補正予算】
次に、令和4年度3月補正予算の概要について申し上げます。
今回の3月補正予算でありますが、一般会計につきましては、2つの補正予算を提案してまいります。
まず、一般会計補正予算第9号につきましては、新たに開始する「出産・子育て応援交付金事業」に係る経費を計上しております。こちらは、早期に実施が必要な経費であることから最終日を待たずに議決を得るため、通常の補正予算とは別に編成したものであります。
また、一般会計補正予算第10号につきましては、12月以降必要が生じた事務事業経費の調整や国の補正予算(第2号)に伴う事業費の計上のほか、令和4年度執行見込みに伴う事業費及び財源の調整に係る予算の計上です。このほか、1つの特別会計及び3つの企業会計において補正予算を提案いたします。
予算案等については以上です。
(3)事件決議案について
次に、事件決議案につきまして申し上げます。
9月の市議会定例会で条例改正をお認めいただきました上田道と川の駅交流センターにつきましては、適正な管理運営体制の見直しを行い、新たに公募による指定管理者の選定を行ったことから、指定管理者の指定について提案させていただきます。
また、12月市議会定例会で否決となりました上田市岳の湯温泉雲渓荘の指定管理者の指定につきましては、議会からの御意見を踏まえ、指定期間の再考を図ったことから、改めて今定例会に提案させていただくものです。
このほか、令和4年3月から、工事に着手しております第二学校給食センター改築事業につきまして、令和4年4月1日適用のインフレスライド条項の適用による受注者からの請求等により工事費の増額等が生じたことから、これらに係る3件の変更契約の締結について議案を提案するものです。
私からの説明は以上となります。
議案の詳細につきましては、それぞれ担当者から説明いたしますのでよろしくお願いします。