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「正海清水」と「中山の簡易水道跡」
正海清水と中山の簡易水道跡
上田市御嶽堂の城山の山麓に「正海清水」と呼ばれる湧水があります。地元では、木曽義仲がこの水を好み、長男義高の館をここに建てたと伝えています。この「正海清水」がある台地一帯は、中世の居館跡等と思われるところが残ることや豊富な湧水があることから義仲の館もあったと推定されています。
また、正海という名の旅のお坊さんが村の女性の心づかいに感謝して不思議な力で水を湧き出させたという伝説も残り、昔から人々に大切にされてきたことがわかります。
昭和2年、この湧水を利用した簡易水道が村の人たちによって施設されました。水道は昭和43年に役割を終えましたが、その完成を記念した石碑が簡易水道の遺構と共に今も残っています。古くから貴重な水源だった「正海清水」は、地元の近代化にも貢献しました。
【参考:『丸子町誌』歴史編 下、『丸子町誌』民俗編、『ふるさと御嶽堂ムラのむかしといま』】
正海清水の湧水
豊富な水は現在は農業に活用
正海清水の碑
中山の簡易水道跡