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今後の学校給食運営方針
【目次】
- 今後の学校給食運営方針の一部変更に関する市民説明会における主な質問・意見とそれに対する教育委員会の考え方
- 今後の学校給食運営方針の一部変更(平成31年2月)
- 今後の学校給食運営方針(平成27年12月)
今後の学校給食運営方針の一部変更に関する市民説明会における主な質問・意見とそれに対する教育委員会の考え方
令和元年5月から6月にかけて開催した説明会における主な質問・意見に対する教育委員会の考え方をまとめましたのでお知らせします。
【主な質問・意見】
- 統合給食センターを見直した理由は何か。
- 子どもにとっては、作り手の顔が見える自校給食が望ましいので、存続するべきである。
- 平成23年6月の学校給食運営審議会の答申を尊重するべきである。
- 自校給食が上田市の魅力の1つであれば二重投資しても良いと考える。
- 上田市の学校給食センターが努力しているのは理解できるが、配送がある限り、自校給食と同じではない。
- 自校方式とセンター方式を混在させることで保てない「公平性」とは、誰に対する公平性か。
- 施設の老朽化の状況を踏まえると今回の第二学校給食センターの改築はやむを得ない。ただし、次に改築を検討する際には自校方式をめざしてほしい。そのために現在ある自校方式を残し、次につなげてほしい。
- 第二学校給食センターはいつ改築できる見通しか。
- 川辺小学校、東塩田小学校が自校方式からセンター方式に移行する時期はいつか。
- 学校給食センターではアレルギー対応ができるのか。
- 市長と教育委員会には再検討の経過も含めて、しっかり説明責任を果たしてほしい。
- 今回の説明会の意見を踏まえ、施設整備方針について再度検討してほしい。
説明会における主な質問・意見に対する教育委員会の考え方 [PDFファイル/984KB]
今後の学校給食運営方針の一部変更に関する市民説明会を開催します(終了しました)
教育委員会では、平成27年12月の「今後の学校給食運営方針」に基づき、学校給食施設の整備を検討してまいりましたが、土屋市長の依頼に基づき「今後の学校給食運営方針」を再検討した結果、一部を変更する運びとなりました。
つきましては、今後の学校給食運営方針の一部変更に関する説明会を市内2か所で開催しますのでお知らせします。
説明会開催日程
日時 |
場所 |
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5月29日(水曜日)午後7時から |
上田創造館 |
6月2日(日曜日)午後2時から |
上田文化会館 |
今後の学校給食運営方針の一部変更(平成31年2月)
変更の概要
再検討を踏まえ、学校給食施設の整備について、一部方針を変更しました。
変更前 |
変更後 |
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1 主な経過
平成23年06月 |
学校給食運営審議会答申
[調理方式に関する内容] 学校給食を教材として活用した食に関する指導の充実を図っていく観点から考えた場合には、単独調理場方式とすることが望ましい。しかしながら、学校によっては、校地内に学校給食施設を整備することが困難な状況や児童生徒数が減少する傾向にあるため、施設を整備・運営していくことが著しく非効率になる場合又は行政の負担が重くなるような場合には、近隣の学校の施設から給食を配送する方法や複数校の給食を共同で調理する方法も考えられる。 |
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平成27年12月 |
教育委員会において「今後の学校給食運営方針」を決定
[施設整備に関する内容] |
平成30年05月 |
市長から教育委員会に対して、再検討依頼 ↓ 教育委員会において再検討に着手 |
2 今後の学校給食運営方針の再検討
(1)再検討項目
- 自校方式の可能性の研究・検討
- 学校給食センターの統合
(2)教育委員会における再検討
毎月開催される教育委員会に合わせた協議において、それまでに市民から寄せらせた意見を確認するとともに、施設整備に関する再検討を行いました。
また、市内5箇所の給食施設の視察を行い、施設の現況・老朽化の状況を確認するとともに、市外の最新の学校給食センターを視察し、施設整備や衛生管理の考え方等を確認しました。視察においては、各施設の状況確認に加え、調理現場の職員との意見交換や給食の試食を行いました。
検討において重視した点
- 安全安心な学校給食の安定的な提供
- 上記のために、現在考えられる最善策は何か、実現可能な選択肢は何か。
検討内容
- 学校給食の現状と課題の把握
- 自校方式とセンター方式の比較
- 統合方式と分離方式(現行方式)の比較(施設整備・運営における財政負担、食物アレルギー対応、人口減少社会への対応、人材確保、配送条件、学校敷地、建設用地)
検討の状況
13回(協議9回、視察・意見交換等4回)
(3)再検討の結果
自校方式の可能性の研究・検討
【考え方】
- 上田地域の学校は、旧上田市の審議会答申(S54年)を踏まえ、給食室の整備を考慮した配置になっていないため、学校敷地の制約から給食室を整備することが困難な学校が多数ある。これらの学校の給食は、学校給食センターから提供する必要がある。
- 各学校に給食室を整備する場合、相当な時間を要し、その間も給食センターの並行稼働が求められる。
- 老朽化した学校給食センターの更新を行いながら、一部の学校に給食室を整備するのは二重投資となる。
- 同一の地域に自校方式とセンター方式を混在させることは、公平性が保てない。
- 自校方式はセンター方式に比べ、多くの職員を必要とするため、運営費等の財政負担が重くなるという課題がある。また、自校方式に対応できる人材を多数確保することは困難である。
【結論】自校方式の採用は困難
学校給食センターの統合
【考え方】
- 第二学校給食センターでは、ボイラー、厨房機器の故障が多発している。子どもたちに安全安心な学校給食の提供を継続するため、一刻も早く施設を更新する必要がある。
- 用地等の条件を踏まえると統合給食センターより、第二学校給食センター単独の方がより早い施設整備が可能と考えられる。
- 統合給食センターにおいても、作業工程を分析し、あらゆるリスクを把握・管理する計画であったが、現行の施設規模を維持することで、さらに食中毒等のリスク管理・分散できる。
- 施設整備を複数に分けることで、建設時の財政負担を平準化できる。
【結論】学校給食センターの統合を見直す。
第二学校給食センター(昭和56年2月建築)
丸子学校給食センター(平成21年3月建築)
市長と教育委員会との懇談会|平成30年12月・31年1月
市長と教育委員会との懇談会を開催し、変更後の方針を市長に報告し、理解をいただきました。なお、市長には市内5箇所の給食施設を視察いただきました。
懇談会では、食育に関する現在の取組を整理するとともに、学校・家庭・教育委員会が連携し、さらなる食育の推進に努めることなどが市長からも求められました。
今後の学校給食運営方針の一部変更について[PDFファイル/498KB]
今後の学校給食運営方針(平成27年12月)
学校給食の運営方針については、平成23年6月に学校給食運営審議会から答申を受け、これまでさまざまな角度から検討を重ねてきました。
平成27年12月の教育委員会において、「今後の学校給食運営方針」を決定しましたのでお知らせします。
「今後の学校給食運営方針」の主な内容
1 食育の推進
- 学校給食を活用した食に関する指導の充実を図ります。
- 児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、食事内容を工夫し、おいしい学校給食を提供します。
2 食物アレルギーへの対応
アレルギー対応を全施設で実施、安全で安心できるおいしい学校給食を提供します。
3 学校給食施設の整備
- 施設の衛生管理を徹底、老朽施設を更新して安全で安心できるおいしい学校給食を継続します。
- 今後の公共施設のあり方を見通した施設統合を行います。
4 学校給食の運営方法
- 長年積み上げてきた給食員のノウハウを活用、安全で安心できるおいしい学校給食を継続します。
- 行政改革の視点も踏まえた効率的な運営により全施設「直営」を続けます。
今後の学校給食運営方針[PDFファイル/131KB]
「今後の学校給食運営方針」の検討において考慮したこと
「今後の学校給食運営方針」の検討においては、食育の推進に加えて、次の1から5の内容についても考慮しました。
自校方式かセンター方式かという調理場方式についても、次の1から5の内容を踏まえて、総合的に判断をしました。
1 老朽化した調理場の状況
上田地域の調理場は、建築年数が古いうえ、文部科学省が導入を勧めるドライシステムではありません。安全で安心な学校給食を続けるために、これらについてはできるだけ早く改善する必要があります。
調理場方式については、例えば、第二学校給食センターが給食を提供する小学校14校を順次、自校方式に移行する場合、移行するには長い時間がかかるうえ、この間、老朽化が進む第二学校給食センターの並行稼働も必要であり、自校方式への移行は現実的には困難と考えました。
上田地域の調理場
- 第一学校給食センター(昭和63築)
- 第二学校給食センター(昭和56築)
- 川辺小学校給食調理場(昭和45築)
- 東塩田小学校給食調理場(昭和37築)
参考
ドライシステムとは、調理場の床にできるだけ水を落とさずに乾いた状態で使用する方法であり、湿度の上昇を抑えることができること、床面からの水の跳ね返りによる食材の汚染を防ぐことができることから、食中毒の発生要因を減らすことができるとされています。
2 食物アレルギー対応の早期実現
学校給食における食物アレルギー対応として、原因となる卵や牛乳などの食品を使わない「除去食」や別の食材を使用した「代替食」の提供などがあります。
しかし、上田地域の中学校7校に給食を提供する第一学校給食センター、小学校14校に給食を提供する第二学校給食センターでは、アレルギー対応をするための専用の調理スペースがないことなどから「代替食」の提供などができていません。
「代替食」などの食物アレルギー対応を行うためには、アレルギー対応設備を備えた施設へ更新する必要があります。
3 将来の児童生徒数の減少
上田市の児童生徒数は、市町村合併をした平成18年は14,345人でしたが、平成27年は12,872人であり、この間に1,473人、率にして10.3ポイント減少しています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、上田市の5歳から14歳までの人口は、平成27年度を100とした場合、20年後には63.9まで減少するとされております。
学校給食調理場の更新については、この児童生徒数の減少も踏まえて検討する必要があると考えました。
4 今後の公共施設のあり方を見通した施設統合
これから、日本は本格的な人口減少社会を迎えます。これは上田市についても同じであり、人口減少に伴い税収が増えることを期待することは難しい状況にあります。このような状況において、今ある公共施設をそのまま維持するということは困難であり、これからの公共施設の更新においては、施設の複合化、統合、廃止といったことも検討する必要があります。学校給食調理場についても、このような考え方を踏まえて検討をしました。
5 自校給食とセンター給食のコスト比較
運営コストの中心である人件費について、上田地域の自校方式の調理場と第二学校給食センターを比較して試算したところ、上田地域の小学校をセンター方式から自校方式にした場合、年間約1億円上昇するという結果となりました。
参考
年間約1億円という数字は、平成26年度の1食当たりの人件費を用いて試算したものです。
- 自校給食校(川辺小学校、東塩田小学校)2校の平均 251.3円
- 第二学校給食センター 175.8円
1.と2.の差75.5円に第二学校給食センターの年間給食数126万2,741食を乗じて算出