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中禅寺薬師堂茅葺屋根葺き替え工事現地見学会を開催しました
中禅寺薬師堂茅葺屋根葺き替え工事現地見学会を開催しました
上田市では、上田市文化財保存活用地域計画において、文化財の保存と活用の推進として、文化財建造物の修理の際の見学会などを積極的に開催することとしています。
令和6年8月24日(土曜日)に国の重要文化財である中禅寺薬師堂の茅葺屋根葺き替え工事の現地見学会を開催し、30名の皆様にご参加いただきました。
1 工事概要
中禅寺薬師堂は昭和11(1936)年に国の重要文化財に指定され、近年では、平成14年に茅葺き屋根の全面葺き替えを行い、令和2年に北面と西面の2面の葺き替えを行っています。
今回は宗教法人中禅寺が事業主体の工事で、茅の抜けや苔、凹みなどが目つようになった南面と東面の2面の葺き替えを行いました。
2 見学会の様子
今回、現地見学会を開催した中禅寺薬師堂の正面と葺き替え前の茅葺き屋根の様子です。
長い年月の経過から苔や凹みが生じているのが見てとれます。
葺き替え工事のため、薬師堂の三方に作業用の足場が設置されました。
見学会に先駆け、前日までに古い茅の解体作業が行われました。
写真は茅葺き屋根の下半分を解体している様子です。
開会式では中禅寺の坂部住職よりご挨拶をいただきました。
また、上田市教育委員会生涯学習・文化財課より文化財の説明をしました。
1グループ8名程度で作業用足場へ上がり、職人さんの作業を間近で見ていただきました。
職人さんより現在の作業や今後の行程、茅葺き屋根の仕組みなどを説明していただき、参加者の皆さんからの質問に答えていただきました。
参加者の皆さんの関心が高く熱心に聞き入っていました。
葺き替え後の写真については、工事完了後に掲載します。
3 参加者の意見(一部抜粋)
参加者の皆様からは以下の感想をいただきました。
今後の事業展開に繋げていきたいと思います。
・「かや」について、特にくわしくなかったのですが、知らないことがたくさんあって大変
興味深かったです。また、30年に一度という貴重な機会に見ることができてよかったです。
・普段見られない作業等、大変参考になった。嬉しい。
・茅葺全部替えると思っていましたが、部分ごとに10~30年ごとかえると知った。1面6tの
茅葺(すすき)、長さ1m60cmも使って、まっすぐなススキを育てるための大変さ、角の
部分が基準で一人一人の感性で作られていると知り、よかった。色々質問でき満足です。あ
りがとうございました。
・とても丁寧に説明していただけて分かりやすかったです。屋根もとてもきれいでした。
・再利用すること、30年周期など知らないことだらけでした。見学、説明すごく良かったで
す。
・職人さんの説明も分かりやすく、今までと違う目線で見学でき興味がもてた。
・職人さんから直接お話を伺えてよかったです。歴史ある建物を大切にされている様子で感
動しました。工事の途中経過も見に来ようと思います。ありがとうございました。
・すべてが手作業で行っていることは知っていたが、手順が多く、とても大変な作業を見学
でき良かった。すべてが終わったらもう一度見学、お参りに伺います。
・なかなか見学できない所を見ることができました。屋根を守るための大変さ、大切さを知
り、作業をしてくださっている方々の技術の素晴らしさにおどろくばかりでした。
・間近で作業、構造の一部が見られて良かった。耐用年数等メンテスパンや傷みの原因を知
ることができました。
・茅葺き屋根の歴史、葺き方等大変興味深く説明を受けました。